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「……」
向「……」
沈黙が息苦しくて、なんか言わなって回らん頭を必死に回して話題を探す。あ!そうや、服…!
「あの、服!」
向「ん?」
「これ…貸してくれたん?」
向「あー、」
こめかみをポリポリとかいて気まずそうな康二くん。
向「暑い!言うてここ着くなり脱ぎ出したんやで、A。」
「えっ!うそ!?」
向「ほんま。流石にキャミソール1枚は風邪引くと思ってしゃあないから俺のTシャツを…」
「ほんっまにごめんなさい。」
ベッドにおでこをくっつけて謝罪する。
メンバーやからって醜態晒してオッケー!じゃないって。ほんま。いい加減にして私。
向「もうええから顔上げ。
明日も仕事やろ?どうせまだ酔っ払ってんねんからもう寝とき!」
「え…?」
向「いや、え?ってなに?」
「いや…康二くんは?どこで寝るん?」
向「…俺はどこでも寝れるから気にせんとはよ寝ぇ」
「あかんよ!」
私の頭をふわ、と撫でて離れようとする康二くんの服を咄嗟に掴んだ。
「ここ康二くんのお家やし…
私がちゃうとこで寝る…なんなら帰、」
向「も〜…アホなこと言うてんと大人しく寝ぇって!」
「きゃ、」
向「おわっ…」
康二くんが私の肩を押して体がベッドに沈んだけど、私が康二くんの服を掴んだままやったから康二くんもバランスを崩して一緒に倒れ込む形に。
「あ…康二くん、髪……」
康二くんのかきあげた前髪からポタ、と水滴が頬に落ちる。私がずっと、引き留めてもうてたから乾かせてないんや…早く乾かさな風邪引く。頭ではそう考えてるけど、上手く喋られへん。
向「………まだ赤いやん」
「え…」
康二くんの指が私の髪を耳にかけて、顕になった耳に触れる。触れられたそこに急激に熱が集まるような感覚に戸惑う。
向「…A、手離せる?」
「へ?あ、ごめ…」
康二くんは私の耳の横に両手をついて見下ろしてるだけで、掴んでるのは私。だから離せるはずやのに。
康二くんのベージュがかった目に見つめられると体が固まったみたいに動けない。
向「…A?」
「ちが、あれ、」
どうしよう。康二くん困ってるのに。なんか、離れるのが惜しい。
「い、行かんといて……」
向「っ…」
視界が滲むほど恥ずかしくて、でもどうしたらいいか分からんくて康二くんを捕まえたまま変なことを口走った。
康二くんの瞳がグラグラ揺れる。
…困らせてごめんね。けど、なんか、離れたくないの。
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あむ(プロフ) - 朝霧さん» コメントありがとうございます!ほっこりして貰えて良かったです☻! (2023年2月18日 21時) (レス) id: 3fabfc8fab (このIDを非表示/違反報告)
朝霧(プロフ) - 夢主ちゃんと末っ子ペアが可愛すぎて浄化されました( ᷇ᵕ ᷆ ) (2023年2月18日 15時) (レス) @page25 id: 1e8d183c5e (このIDを非表示/違反報告)
あむ(プロフ) - 小袖さん» わ〜!そう言って貰えて嬉しいです^ - ^ 溺愛モードでお願いしております♡ (2023年1月31日 2時) (レス) id: 3fabfc8fab (このIDを非表示/違反報告)
小袖(プロフ) - やーん夢主ちゃんかわいい♡すのまんたちにいっぱい愛されてください( ; ; )♡ (2023年1月30日 0時) (レス) @page4 id: 086580d8cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あむ | 作成日時:2023年1月27日 18時