検索窓
今日:4 hit、昨日:30 hit、合計:66,477 hit

人知の及ばぬ川底にて ページ40

.



長い夢を見ている。
緩やかに流れる川に身を浸し、どこに連れていかれるかもわからぬままゆらゆらと浮いているだけ。
目を開ければどこまでも広がる青空と眩しい太陽が水面越しに揺らめいていた。


「これはゆめだ」


呟いた言葉は泡に変わり、音になる前に消えた。
ふわふわの布団に包まれるような心地よい感覚に、これが夢ならこのままでいいとさえ思ってしまった。


「これは夢だ」


もう一度強く唱える。
やがてこの川は私の態度に機嫌を損ねたのか、川底を信じられないほど深くして私を飲み込んだ。
川底へ向かって私を押し流す水流が喉を締め付け、次第に意識が薄れ始める。


深海へと開いた川底には様々な瞳があった。
そのどれもが私を見つめていて、瞬きひとつとしてしない異様な光景。


「これは夢だ」


叫ぶように唱えたその自己暗示は僅かな音となり、泡粒に紛れて水面へと向かった。
暗転へ向かう意識の中で、私の顔を覗き込むように現れた金色の瞳が印象的だった。

.→←.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (66 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
119人がお気に入り
設定タグ:wrwrd! , 実況者 , ○○の主役は我々だ!   
作品ジャンル:その他
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

志摩(プロフ) - H2Oさん» H2Oさん、閲覧ありがとうございます。アブノーマリティの設定はめちゃくちゃ悩んだので褒めて頂けて嬉しいです。更新頑張ります。 (2019年7月16日 8時) (レス) id: 4b0ab5b92a (このIDを非表示/違反報告)
H2O(プロフ) - コメント失礼します。このパロディとても好きです。待っていました。各アブノーマリティの設定も凝っていて、読んでいて世界観に飲み込まれました。これからの更新楽しみにしております。 (2019年7月16日 7時) (レス) id: e433076a9e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:志摩 | 作成日時:2019年7月11日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。