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｢……Aちゃん、何か悩んどる？｣
｢いや、君達には関係の無いことだ｣
カップを握る右手にするりとオスマンの手が添えられる。
いつの間にか彼の手から白の手袋はなくなっており、負けず劣らずの白い素肌が覗いている。
細くて長い、それでいて角張った男性の指が執拗なまでに私の手を撫でた。
｢は〜なるほど。"コネシマ"と"…………"の気持ちもよう分かるわ｣
触れられた箇所が次第に熱を持ち始める。
たまらずカップから手を離すと、逃がす気は無いとばかりに握り込まれた。
何が面白いのか指を絡めて離してを繰り返している。
｢……ふふん、また来てくれるなら逃がしたるわ｣
｢先程も言ったはずだ｣
｢ああ、言葉が悪かったわ。……お茶しに来て欲しいねん｣
アブノーマリティからの誘惑は等しく死にまつわるものである。
近く死を迎える者、アブノーマリティによって死を迎える者、死に様を予見される者。
様々あれどろくなものはひとつも無い。
｢……仕事のついでに、だ｣
｢やった！｣
離された手をカップに伸ばし、残り少ない紅茶を飲み干す。
彼に関する第一観測としてはもう十分な情報が得られた。
次の作業指示こそまだ無いものの、｢何も無い｣の収容違反で手薄になった福祉部門のフォローに上層が動いているはずだ。
空いた上層の穴埋めに動かなければ。
｢ではオスマン、次は……管理人に相談してくるよ｣
｢待ってるめう｣
にこやかにそう言うと、彼は立ち上がった。
どうやら扉前まで見送ってくれるらしい。
ガゼボから扉までいくらも距離は無いが、整備された庭園が美しい。
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志摩(プロフ) - H2Oさん» H2Oさん、閲覧ありがとうございます。アブノーマリティの設定はめちゃくちゃ悩んだので褒めて頂けて嬉しいです。更新頑張ります。 (2019年7月16日 8時) (
レス) id: 4b0ab5b92a (このIDを非表示/違反報告)
H2O(プロフ) - コメント失礼します。このパロディとても好きです。待っていました。各アブノーマリティの設定も凝っていて、読んでいて世界観に飲み込まれました。これからの更新楽しみにしております。 (2019年7月16日 7時) (レス) id: e433076a9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：志摩 | 作成日時：2019年7月11日 0時
