検索窓
今日:27 hit、昨日:3 hit、合計:66,470 hit

. ページ19

.



「……っ、わ、るい」


我に返ったのか私の手をぱっと離した。
私の手には綺麗に手の跡が赤く残っており、身体を起こしたコネシマが気遣わしげに再び手を取る。


「大丈夫、や、ないよな……こんな、赤くなって」
「骨までは行ってない。数分で引くものだから心配するな」


自分の制御が効かなかったことに動揺してか、彼の大きな身体は震えている。
チワワまでもが叱られた子犬のような顔でこちらを見上げてくる。
これがきっかけでエネルギー産出や作業に支障が出ても不都合だし、多少恥をしのんで機嫌を取る事にしよう。


「コネシマ、私は怒っている。ので、謝罪を求めよう」
「すまん、本当にすまん!お願い、お願いだから」
「ええいうるさいな、私は眠いんだ!」


私の言葉にキョトンとした顔を浮かべるコネシマ。
油断しきった人間1人後ろへ押し倒すくらい造作もないことである。
床に仰向けで倒れ込んだコネシマの横に並んで転がり、腕に素早く頭を乗せる。
さっき膝枕を要求された仕返しに腕枕をせがんでも怒られないだろう。


「おいで」


チワワを呼べば喜んで私とコネシマの間に飛び込んでくる。
外せない彼のリードは触ったところで何ともないことはとっくに実証されていた。


「……寝るん?」
「寝る。昨日は夜間に試練の制圧があって寝不足なんだ……」
「ああ、そういや騒がしかったな」


目を閉じればコネシマの大きな手が私の頭をそっと撫でていく。贖罪のつもりか、それともただあやしているだけなのかは彼にしか分からない。

上位AIの忠告→←.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (66 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
119人がお気に入り
設定タグ:wrwrd! , 実況者 , ○○の主役は我々だ!   
作品ジャンル:その他
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

志摩(プロフ) - H2Oさん» H2Oさん、閲覧ありがとうございます。アブノーマリティの設定はめちゃくちゃ悩んだので褒めて頂けて嬉しいです。更新頑張ります。 (2019年7月16日 8時) (レス) id: 4b0ab5b92a (このIDを非表示/違反報告)
H2O(プロフ) - コメント失礼します。このパロディとても好きです。待っていました。各アブノーマリティの設定も凝っていて、読んでいて世界観に飲み込まれました。これからの更新楽しみにしております。 (2019年7月16日 7時) (レス) id: e433076a9e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:志摩 | 作成日時:2019年7月11日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。