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｢そもそも死んでいないものを蘇生するわけにいかないだろう？誰も指摘しないから、そこだけは少し愉快だった｣
｢……じゃあ、お前｣
｢起こすだけなら今すぐにでも｣
枕に広がるフィーの髪を一房弄ぶ魔女の表情は雑面に隠されて読み取れない。いつもそうだ。この女は隠し事をした挙句他人に隠し事を強要して、問題が大きくなって初めて言い出す。まるで野良猫のようだ。
｢……それ、ほんまか｣
静かな医務室はよく声が通る。そこで書類仕事をしていた大先生にまで聞こえていても何ら不思議ではなかった。フィーナの蘇生を強く望み、ひとらんと一緒に銃まで向けたこともある。それ以降特に関わりは無いように見えたが、何も無い期間は蟠りをより強固にしただけではなかったか。
｢どういうことや……！今、すぐにでも起こせるっつったよな！？｣
｢君も学習しないな。今起こしたところでそれはフィーじゃないぞ｣
｢……何やねんほんま……無駄に期待ばっかさせよって……｣
頭を抱えてしゃがみこむ大先生。彼は女癖が酷い分特定の女性が長期間傍にいることがない。自業自得ではあるが、その分フィーナは彼にとって特別なのだろう。
｢絵柄の違うジグソーパズルを2種類混ぜて、山を2つに分けたらどうなると思う｣
突然問いかけられる。Aが何かを話す時、必ず問いかけから入ることにも慣れてきた。
｢当然、枠にハマりきらなくてピースが歪んだり余ったりする。今フィーは夢と現の間でグチャグチャになっていて、そこから無理やり半分だけすくい上げでもしたら記憶に偏りが発生するんだ｣
だから今は起こせない、と。そしてそれを解決するのが時間だけであることも明白だった。
｢……俺、お前のこと嫌いやわ｣
｢好かれようとも思ってない｣
｢頭おかしいで……ホンマに｣
ジャケットの裏に収められた愛銃を一撫でして大先生は仕事に戻っていった。恐らく城の警備と並行してAとともに防衛に当たってもらうことになるはずだし、出来ればもう少し関係を改善して欲しいところだ。
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あﾞ〜我慢出来なくてストック全部吐き出したｿﾞ……
クライマックスの展開を練るための時間稼ぎに番外編でも出そうかしら、と考えています
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作者名：志摩 | 作成日時：2019年5月3日 18時
