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｢あの、あんま聞かれたくないかもしれんけど……一昨日会った女は何なん？知り合いっぽかったけど｣
｢……北の陣営を追放されて南に着いた魔女だね。正直アレと真っ向からやりあったとしても勝機は五分五分ってところだ｣
国を1つ跡形もなく燃やすなんて所業はそうそう出来るものでは無い。魔女の中でもかなりの実力者だと自負しているが、それでもあの女の搦手には適う気がしないのだ。
｢……あの人、あの、もしかして……いや、何でもないです｣
｢何やショッピくん｣
｢ほんとに何でもないですって。自己解決しました｣
腑に落ちない様子のショッピくんだが、彼がこういう顔をするのはもう何も話したくない時だ。これ以上突っ込んで聞けば怒らせる可能性もあるし、わざわざ旅行中に関係を悪化させずともいいだろう。それに、私だって何だかんだと質問を躱して核心に触れないよう立ち回った。彼の隠し事を糾弾出来る立場にはないのだ。
｢そろそろお昼か。食べたら出ようか｣
楽しい休暇も旅行も、いつかは終わりが来る。どんな苦境にも、どんな道にも果てはある。いつか来るべき終わりに、私はどうやって整理をつけようか常に悩んでいる。
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作者名：志摩 | 作成日時：2019年5月3日 18時
