【d!】お願いのお願い②【軍パロ】 (ページ20)

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｢さっっっっみぃ！！｣

昼過ぎに出立したが、この季節は日没が早い為あっという間に気温が下がり始めた。新たに移動したまちは観光地として有名らしく、宿は豊富にある。ショッピくんが事前情報無しで1番高い宿を直感的に選んだ時はAと顔を見合わせて笑ってしまった。……雑面に隠されて顔が見えんのはアレやけど。

｢室内だからって油断して上着置いてくるからよ｣
｢全くもってその通りっす｣

マフラーなどの小物こそ無いものの未だ上着を手放さない2人と、油断しきって上着を脱いでパーカーで出てきた俺。温泉までの廊下とはいえ城のようにどこもかしこも暖房が効いているような贅沢は無いことを失念していた。

｢ところでAさん、温泉入るのに雑面どうするんですか｣
｢……後で結び直してくれないか｣

Aの不器用さは主に雑面関連で露呈してきた。結べないとこに始まり、解くことさえ失敗する有様である。解こうとして固結びになっていたのを救出して以来、必ず誰かに付け外しを頼むようになっていた。
ショッピくんより早く解いてやれば、彼の少し不満気な紫と目が合った。今日のお前の役得を俺は忘れてないからな。

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温泉に行きたいのは作者本人です。癒しはどこ
１日に数話更新してますが、早すぎる遅すぎる読みづらい等あれば遠慮無く仰ってくださいね