【d!】お願いのお願い②【軍パロ】 (ページ1)

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目の前にいるのは魔女だったはずなのに、いつの間にかAさんになっていた。腰まであったはずの髪は肩口で乱雑に切りそろえられていて、口も悪くなっていたけれど確かに今までずっとAさんの声で喋っていた。濁った瞳に映るのは酷い顔をした自分で、目の前のAさんもなかなかに酷い顔をしている。

｢Aちゃん、めぅ……！？｣
｢ついでに言うと、建国記念パーティに参加してたメアリー・ドルストンも私だ｣

数ヶ月前に大騒ぎをしたものの結局解決しないまま、父親共々地方に飛んだ娘の名前。もしあの一連の出来事が本当の魔女によるものだとしたらこれ程納得出来ることもない。

｢髪、綺麗だったのに｣
｢野暮用でな｣

やっとのことで絞り出したのが短くなった髪のこと。もっとたくさん色んなことを問い詰めたいのに、言葉が出てこない。

｢連絡、切れた時、心配しました｣
｢……謝らないぞ｣

想像もしなかった再会だけど、何であれ無事で本当に良かった。もし戦争に巻き込まれて怪我でもされていたらどうしようかと本気で心配したのだ。

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