��健康的な食生活 ページ3
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絶対絶対、認めない。俺の好みは清楚でいい匂いがして家庭的で髪が長くて、仕事を頑張っている俺を夜毎優しく労ってくれるような女だ。だからあんな、ノックへの反応が薄いとドアノブを壊すせいで常に傍に修理工が控えているようなゴリラ女が好きなわけが無い。
｢黒やな｣
｢黒や｣
｢今すぐお前らが遅刻して肩代わりした分の書類突き返してもええんやぞ｣
判子とサインを入れては脇の山に積み重ね、ある程度溜まったその山を持たせてシャオロンとコネシマの2人を追い出した。説教していたはずなのに何故優雅に俺の部屋の紅茶を飲めるのか甚だ疑問である。
｢…………んぁ｣
しまった、グルさん宛の書類を1枚挟み忘れている。こんな時に限って部下は皆出払っていて、空いている体は自分1人だけだった。しゃーなし気分転換がてら届けに行くか〜と立ち上がったところで、ふと思い当たってしまった。
総統であるグルさんの執務室にはあの女がいるのでは？
｢へ、へいびょ、平常心……｣
グルさんの執務室に向かって歩を進めると、心做しか身体が重くなって、汗ばむような心地すらする。やはりあの女のことなんて好きじゃない、むしろ嫌いだ。
｢あ、書記長良いところに｣
｢ﾋﾞｮ｣
心臓を吐いた。いやギリギリ出はしなかったと思う。何とか息を落ち着かせて素数を数え円周率を唱えれば、何とか平常心が戻ってきたように感じる。おかえり心臓、外は楽しかったか？
｢……これ、グルさん、渡す、書類｣
｢あ、ちょうどそれを貰いに行くところでした｣
俺が差し出した書類を女性の細くしなやかな指が受け取る。こんな細っこい指でいつもドアノブ破壊しとるのか……としみじみ思った瞬間、一際強い風が吹いて書類が宙を舞いかけた。慌てて掴み直せば彼女の方も書類を追っていて、バランスを崩したのか倒れ、こん、ぇ
｢ﾐﾟ｣
｢す、すみません！お怪我は！｣
｢ナイデス｣
倒れこむといってもとん、と寄りかかる程度だ。それでも訓練中にぶつかり合う男どもとは比にならないくらい軽くて、俺の半分くらいしか無いんじゃないかってくらい細くて、それから甘いような爽やかなようないい匂いがする。
｢タ、ノン、ダ｣
｢はい……？｣
平常心、平常心を保って、彼女に背を向けて、廊下の角を曲がる。
｢…………………………心臓帰ってこんやないかい！｣
全力ダッシュで執務室に戻り、更にその奥の自室へとロケットの如く飛び込んだ。
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餅宮(プロフ) - あびゃ()、この話の書き方も展開も好きです、可愛くてしんどくて心臓が固まって息切れを起こしました。好きです(迫真)ありがとうございました。次回作楽しみにしてます！ (2020年6月2日 14時) (
レス) id: 183ec0d7a1 (このIDを非表示/違反報告)
折り紙(プロフ) - コメ失礼します。もうなにもいえません。貴方の作品が大好きです (2020年6月2日 1時) (レス) id: 9f4a4ff714 (このIDを非表示/違反報告)
ミコミコ(プロフ) - つ…ついに終わってしまった…面白かったです！とくに書記長さんの心臓がw次回作、もしくは続編楽しみにしてます()お疲れ様でした！ (2020年6月1日 22時) (レス) id: 9e8740a182 (このIDを非表示/違反報告)
アケメネス(プロフ) - 勢いと勢いを崩さない文章が素敵でしたすき！！！！！次回作楽しみに待ってます。できればもうちょっとだけちゅぢゅきがみたいでちゅ (2020年6月1日 21時) (レス) id: ef9d22381a (このIDを非表示/違反報告)
闇ちょこ(プロフ) - おおお終わってしまった…個人的に書記長の恋に世話？を焼く総統が好きでした((もう10周見てきます (2020年6月1日 20時) (レス) id: f89a326571 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：志摩 | 作成日時：2020年5月26日 18時
