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｢…………トントーン、そろそろ入ってええか｣
｢ｵﾜｱｱｱｱｱｱ！？グ、グルさん！？グルさんなんで！？｣
｢書類不備を突きつけに来たんだが、とんだ砂糖を吐かされたな｣
鍛え上げた腹筋でAさんごと身体を起こすと、吹き飛んだドアの死角に立っているグルさんがぴらりと紙を1枚見せてくる。部屋の中を見ないようにしてくれているのはありがたいが、一体いつから居たんだ。
｢ちなみに俺もおるで｣
｢ﾊｧｧｧｱｱｱｱオスマン！？なん、はぁ！？｣
ひらひらと振られた手の袖は確かにオスマンのもので。つまり、1番握られてはいけない2人に、よりにもよって色恋沙汰の弱みを握られたことになる。
｢もー、半泣きの女の子にドアをノックされて無視するなんて酷い男めう！｣
｢いっちばん最初やないかい！！おま、おま！｣
可愛こぶっても無駄だ、仕事を山ほどくれてやる。そう心に決めてAさんの身体を離そうとしたが、どうやら気が抜けてうとうとしているらしかった。
眠いなら寝てしまった方が良いだろうと背中を叩いていると、何かを察したらしいグルさんがそっと顔を覗かせる。多分グルさんはグルさんなりに直属の部下が心配だったんだろう。寝かせてやるから静かに、という意味を込めて人差し指を立てて口元にやれば、分かってくれたのか頷いてくれた。
｢……あー、あれだ。トン氏とAは今日半休、明日全休だ！｣
｢いやいやいや書類は机に置いてくれたらええから｣
｢ドアは直してから、きちんと閉めておけよ。隣のd先生は執務室に缶詰にしておいてやる。……ではオスマン、行こうじゃないか！｣
……やけに具体的な指示をだすじゃないか。何かこう、悪巧みめいた物を感じる。休み、しかも明日まで。そして隣のd先生…d先生……か。
｢………………粛清やな｣
すっかり寝に入ってしまったAさんを自分のベッドに横たえて、俺は馴染みの修理工を呼びに行くのだった。
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餅宮(プロフ) - あびゃ()、この話の書き方も展開も好きです、可愛くてしんどくて心臓が固まって息切れを起こしました。好きです(迫真)ありがとうございました。次回作楽しみにしてます！ (2020年6月2日 14時) (
レス) id: 183ec0d7a1 (このIDを非表示/違反報告)
折り紙(プロフ) - コメ失礼します。もうなにもいえません。貴方の作品が大好きです (2020年6月2日 1時) (レス) id: 9f4a4ff714 (このIDを非表示/違反報告)
ミコミコ(プロフ) - つ…ついに終わってしまった…面白かったです！とくに書記長さんの心臓がw次回作、もしくは続編楽しみにしてます()お疲れ様でした！ (2020年6月1日 22時) (レス) id: 9e8740a182 (このIDを非表示/違反報告)
アケメネス(プロフ) - 勢いと勢いを崩さない文章が素敵でしたすき！！！！！次回作楽しみに待ってます。できればもうちょっとだけちゅぢゅきがみたいでちゅ (2020年6月1日 21時) (レス) id: ef9d22381a (このIDを非表示/違反報告)
闇ちょこ(プロフ) - おおお終わってしまった…個人的に書記長の恋に世話？を焼く総統が好きでした((もう10周見てきます (2020年6月1日 20時) (レス) id: f89a326571 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：志摩 | 作成日時：2020年5月26日 18時
