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プレゼントを持つ手に力が入る。
やっぱり海斗に渡したい。
他でもなく、あなたのために選んでたんだよって、白状しよう。
素直にならなきゃ、いつまでも先に進めない。
そう思っているのに。
問題は、連絡が返ってこないということ。
未読のままのトーク画面を見つめる。
すると、ポンと通知。うみからだ。
…右見て？
キョロキョロと辺りを見回すと、学内のカフェに見慣れた丸い頭。
目が合って、ちょいちょいと手招きをする。
入り口からその姿を見つけ、楽しそうに話す相手に視線を移すと。
…ミカ先輩。
だとすれば、その奥に隠れて見えないのは、
「おー！Aちゃんきた」
こちらに気付き、うみの明るい声。
無視する事なんてできなくて。
足を進めると奥に座っているのは、思った通り。
返信をよこさない張本人。
「お疲れ様です」
「わあ〜！久しぶりだね、Aちゃん」
『おぉ。おつかれ』
目を逸らす海斗に違和感を覚えた。
ちらっと見えた、後ろめたそうな表情。
理解したくないという感情の前に、理性が冷静に判断する。
海斗の着ている服。
昨日と同じだ。
途端にバクバクと鳴り出す心臓。
嘘でしょ、まさか。
その隣、私の視線を奪うようにゆっくりと髪を耳にかけたミカ先輩。
耳たぶに光るのは、昨日勧めたピアス。
そんなこと。
ショックでふらりと横の柱に手をつく。
楽しそうな笑い声がエコーみたいに頭の中で響いて、すーっと力が抜けてゆく。
慌てて笑顔を作り、
「ごめん、ちょっと今日は帰るね」
ほとんど走るようにして、その場を離れた。
『おい、A！』
「…大丈夫かなぁ」
「いやクラ、俺が追いかける」
少し離れて、物陰に隠れるようにしゃがみこんだ。
何も考えたくない。
「A！」
うみが息を切らしたまましゃがみ、私の肩をつかむ。
「はぁっ、どうした？」
顔をのぞきこんで、ギョッとした顔。
「どうしたの？マジで具合悪い？」
「いや大丈夫」
「全然そう見えねぇし、顔真っ青だから。ほらこっちきて」
優しく私を立ち上がらせ、近くのベンチに座らせてくれた。
「ごめん、ありがとう」
「いいんだけど俺は…良かった、顔色戻ってきて」
背中をさすりながら、安心したようなため息。
申し訳ないことをしちゃった。
自分がこんなに動揺するなんて。
頭ではおかしいって分かっているのに、体が言うことを聞かない。
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N11(プロフ) - maminaさん» 初めまして、コメントありがとうございます。揺らぎからですか！引き続き読んでくださっているようで、感謝しかありません。こちらの不手際でご迷惑をお掛けいたしました！公開しましたので是非ご覧ください。 (2021年3月7日 22時) (
レス) id: f61069127a (このIDを非表示/違反報告)
N11(プロフ) - あさん» 初めまして、コメントありがとうございます。こちらの不手際でご迷惑をお掛けいたしました！公開しましたので是非ご覧ください。 (2021年3月7日 22時) (レス) id: f61069127a (このIDを非表示/違反報告)
N11(プロフ) - キさん» 初めまして、コメントありがとうございます。泣きそうになりながらなんて…！とても嬉しいです。こちらの不手際でご迷惑をお掛けいたしました。公開しましたので是非ご覧ください。 (2021年3月7日 22時) (レス) id: f61069127a (このIDを非表示/違反報告)
mamina(プロフ) - 初めまして。揺らぎから大好きでLost&Foundも毎回楽しみに読んでました。#2に続いてまつくのダークサイドみれるのかと思ってドキドキです！宜しければパスワードを教えて頂きたいです。宜しくお願いします。 (2021年3月7日 21時) (レス) id: 9fd2043a8e (このIDを非表示/違反報告)
あ - 初めまして！最近からLost & Found読ませていただいています！よろしかったら#2のパスワードを教えて頂きたいです。 (2021年3月7日 20時) (レス) id: 89732c56da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：N11 | 作成日時：2021年2月12日 0時
