【歌い手】恋愛交響曲。ver.B【大型コラボ】 (ページ1)

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【そらる】ユラユラ/starlily ページ1

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ねぇ、そらるさん。あのね。

私、優しい人になりたかった

強い人になりたかった

楽しい人になりたかった

ぼんやりと自分の理想像を思い浮かべる。

正直、今の私にとってはどうでもいいことであるが。

残るのは少しの後悔と理想に近づくことすらしなかった愚かさ。

いっそのことどこかへ行ってしまいたいって思う。

そのまますぅっと消えてしまいたいなんてことも思う。

これは叶えることの出来ない思いで少し窮屈に感じてしまう。

笑顔の作り方を忘れてしまった。
笑おうとしても必ずはりつけた笑顔になり、誰がどう見ても笑えてない。

笑えなくなったのと同時にこの世界が嫌いになった。
作り笑いすら浮かべることの出来ないこの世界が。

勝手に嫌われる世界も大変ですね、なんて思ってもないことを吐き出す。吐き出した言葉も電車の音に掻き消された。

どこぞの誰かにどこへ行ったってお前の嫌いな世界であることに変わりはないよって言われてしまった。

近くの学校では生徒が屋上から飛び降りたらしい。

駅のホームにいる女子高生たちは駄弁りながら笑っていた。

老人が聞いているラジオでは誰かが何者かに刺されたとのこと。

サラリーマンのスマホに映るニュースでは刺された誰かの親が泣いていた。

自分の回りにあるたくさんの感情がごちゃ混ぜになってどす黒く見えてくる。

そらるさんは何色に見えるかな。

朝が来て、夜が来て、今が来て、明日が来る。

生きている人々が必ず味わうルーティーン。
何度も何度も繰り返してきた。

そうしていくうちに嘘をつくこと、誤魔化すことを覚えた。
誤魔化して頑張って作れもしない笑顔無理矢理はっつけて。

でもそらるさんにはきっとバレるんだろうな。