【水面下の戦争物語-第二部】設定集

＊ ページ13

【サンプルボイス】
一人称…俺
二人称…君、お前、あんた

「インキー・ストレイト。騎士団員やってる…そんくらい。よろしく。」

「え、俺と会ったことあんの？ …ごめん、思い出せなかった。普通に自己紹介した。言いにくいんだけど、昔の記憶が思い出せなくて。…ごめん、ほんとに」

「返事は“うん”じゃない。“はい”だ。早く返事しなよ。今お前に許されてる発言は“はい”だけなんだよ。ほら、鳴けよ。それともお仕置きされたい？ …あ、ソッチのほうが好きとか？」

「こんなのもわかんねーの。おバカちゃんだなー。いーよ、別に。お前に最初から期待なんてしてなかったし。…何突っ立ってんの、手伝ってやるからここ座れよ。ほら」

「俺は何もしてねーよ、お前が勝手に頑張ったんだろ。俺のことは気にすんなよ」

「鞭を打った時に鳴る音は、鞭を打ち付けた音じゃなくて、ソニックブームだよ。でも、音聞いただけで怖いよな。だって、動物を追い立てるために使ってたものだし。打たれたことがあるなら尚更。……俺？ まさか。ないよ。打ったことはあっても」

「確かに鞭は戦場では頼もしいとは言い難い。防具を着込まれたら、途端に鞭は無力に成り下がる。でも、考えても見ろよ、悪霊が甲冑を着て歩くか？ もし無防備な相手に俺が本気で鞭を振るったなら、一撃で肉は裂けて骨は砕ける。…そんな顔すんなよ、お前にやるなんて言ってないし」

「不思議なことに、“前の俺”も今の俺も、そんな性格が変わってないらしい。もし魂というものがあって、それに人格を左右されるとするなら、記憶を無くしても魂が同じであれば、性格が変わらないというのも頷けるよね。でも俺は性格は環境で形成されるものだと思う。だから皆が俺を前と変わらず接してくれてるから、だと思ってる」

「絵描くの好きなんだよね。“前の俺”も好きだったみたい。…ま、こんな絵の具臭くて、壁一面絵しかない部屋見たら、一目瞭然だよな。絵を描いてる時だけは、『ああ、今、俺は“俺”だ』って感じられる。このまま描き続ければ、いつか思い出せるかも」

「…騎士団の皆は、俺が、皆を思い出せなくても…ここにいさせてくれる。俺の居場所なんだよ。ここしか、俺の居場所はない。だから、皆の為ならなんでもする。邪魔する奴は全員殺す」

「忘れてない。忘れてる訳ない、皆のこと。今までのこと思い出せないだけだ。いつか絶対思い出すから、俺の事捨てないでほしい、頑張るから」

「ふーん。じゃあ懲罰だ」

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