【歌い手】 優しさを知らない少女の歩む道には。

三十九歩... ページ47

luz side

るす「Aっていつもあんま表情変わらんし、
歌い手もクールキャラで売っとるからあれやけど、
ほんまは周りにずーっとおびえてんで？」

96「え、ぜんっぜん気づかんかった！！！
怯えてるってどんなふうに？」

るす「周りにどう思われてるかを気にして、
自分がどないなろうがお構いなしに周りに気をつこうとる。」

つき「高校のころは、づっと作り笑いだったなぁ…。
ボク以外みんな気付いてないみたいだったけど。」

るす「Aが唯一、活気満ちていたんは、歌ってる時やね。」

そら「あぁ、いい声してるし、いつもより自然な顔してるな。
あの時の顔は、見てて安心する。
Aダイジョブそうだな、って。」

96「やだぁーｗｗｗ
そらるんシスコンっぽいよｗｗｗ」

そら「う、うるせぇっ…。
んで？Aは…なんで周りをそんなに気にしてんの？」

るす「そーですねぇ…。
あれやと思います、あのー。
お姉さんに散々虐げられていたから、人に恐怖を感じたとか。」

つき「碧か…。アイツ、陥れるなら手段は択ばない主義だから、
Aがトラウマになるのも無理はないよ。」

るす「ホンマ、あの時の公園で歌うのしか、生き甲斐がなかったんやね。」

うら「どんな様子だったの？」

るす「んー。Aがベンチに腰掛けて、アコギ弾いてた…っけ？
ほんで、弾き語りを初めて、ほしたらその公園にいたみんなが
Aの周りに集まって、Aの声をきいとった…はずです。」

さか「何の唄歌ってたん？」

るす「…なんやっけ、ボカロのどれか？」

そらうら「「おおざっぱすぎる…」」

るす「あ、心なし！！」

さか「こころなしって…蝶々Pさんの？」

うら「苦しもがいてる曲だな。それ以外はなんか歌ってたか？」

るす「うーん、secret baseかなー。」

つき「まふくんとの思い出の曲らしいね。
…まふくんに聞いてみる？Aの事。」

そら「…みんなでもう一度、病院へ行くか。
luz、大丈夫か？」

るす「…Aの為なら。」

うら「決まりだな。行こう。」

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