【歌い手】 優しさを知らない少女の歩む道には。

二十六歩... ページ34

〖久しぶり、アタシの事覚えてる？〗


ここは私の夢空間。
アタシと私をつなげるところ。

『覚えて、るけど…』

〖ちょっと曖昧になってきた？(笑)
しょうがないかな、それは。
私が全てを思い出すまでの時間が、
確実に縮んできてるし、時間の問題。〗


『私が思い出したら、消えちゃうの…？』


〖んーん、“吸収”されるだけ。
今は、言わば分離状態だから、
記憶が戻るとアタシも私の一部になるってだけ。〗


『...そっか。
アタシは、吸収されたくない、？』


〖だいじょーぶ。
私は思い出すことに専念しな。
…起きたらこの世界のことは忘れるんだし。〗


〖あ、そうだ。
意味ないけど一応いうね。
思い出す前に、記憶を失くした理由...
原因を、求めておかないとダメだからね。〗


『飛び降りた原因？』


〖そう。
思い出してパニックにならないように、
周りに迷惑かけないように。〗


『…変わらないんだね、アタシも。
結局、他人の視線しか気にできないトコ。









でも私は、“みんなの望む”Aじゃないから、
全然違うっけ。
私は、“周りに愛されていた”ころと...
アタシとはもう別人のようなものだもんね、？』


〖…でも受け止めてくれる人、
見つけれたじゃない。
いつか、素を可愛がられるような人見つけねきゃね。〗


『クスッ…変な言い方。
まぁ、頑張るよ。』


優しさも知らぬ少女故に、
母の愛情なんて、そもそも母自体もう壊れてるし。




〖愛されるには、“愛”を知るとこから始めなきゃね。〗


『…いきなり難題押し付けないでよ。』


〖そう？案外近くにあるもんだよ。〗


『私の？』

〖じゃなかったらどこにあんの？(笑)
そもそも、愛に決まりはないんだから。
私なりの愛を探せばいいんだよ。〗


『私なりの…』


私なりの愛、それはすなわち
みんなと違う、私だけのってこと。
もしかしたら、それはもう持っているかもしれない。


『〖愛を求めすぎなければ、ね。〗』


『まぁ、頑張ってみますかね。』

「焦らずに、だからね？
私はもう、私のペースでいいんだよ。
周りの人、受け止めてくれてるし。
まぁもし、受け止めてもらえないなら
その時は、＿＿＿＿＿＿＿＿＿。〗


私は目を見開いた。
そして同時に、目が覚めた。


“自分の居場所をぶち壊すくらい、本気で訴えてみなよ。”


ーーーーー
いつかのアンダーバーの所をやっと言えました。
(六歩...参照。)

二十七歩...→←番外編　「名前」

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