二十四歩... ページ31
やってしまった。
昔、思い出せないあの子に歌った唄。
その子が苦しい時、悲しかった時、厭なことがあった日、
その逆に、いいことがあった日も。
よく歌っていた唄。
まふくんが泣いているのを見ると、
思い出とともにふと口から出てきた。
そして私が呟いてしまった。
“懐かしい”と。
なぜ、か。
何と答えるべき?
貴『む、昔よく、歌ってたからかな?』
一応、間違ってはいない。
なにかと歌った唄だから。
まふ「…誰の為に?」
貴『!?』
え、なんで?
何でそんなこと聞くのだろう。
もしかして、気づいてる?
私と黒崎Aが同一人物だと。
まふ「ボク言ったよね、受け止めるって。
お願い、話して。」
…誤魔化せないか。
貴『…多分、ご想像通り。
黒崎Aは、私。
私は、貴方のことを忘れてしまったの。』
まふくん。
この言葉で貴方は一体、
どれほど傷付きますか?
まふ「うん。だと思った。
…今の名前、教えてもらってもいいかな。」
貴『今は、桜庭 A。
下の名前は変わってないよ。』
まふ「そっか…。
ボクは松原譜音。よろしくね。」
お願い、まふくん。
そんな悲しい顔しないで。
私の所為だってわかってるけど。
リスナーとしてじゃなく、元友達?として。
無理して繕わないでよ。
貴『まふく…ふうと、くん?
前の私は何て読んでた?』
まふ「…まふくんって呼んでたよ。」
貴『そっか。』
だめだ、どうしても思い出せない。
忘れたくなかったはずなのに。
あんなに大切にしていた記憶、なのになぁ。
貴『まふくん、ごめん。
やっぱり、今すぐ完璧には思い出せない。
だから、まふくんさえよければ、教えて欲しい。
忘れちゃったことを。
もしまふくんが辛いなら、
私はもう関わらないから。』
まふ「…んでっ…!」
まふ「なんで、そんなこと言うの!?
ずっと探して、やっと見つけれたのに。
どーしてまた離れようとするの!?
何度でも、何度でも教えるから。
だからもう、二度とボクの前から消えないでっ…。
お願いだから、いかないでっ…!!」
貴『…っ!!
ま、まふ、くん。まふくん。まふくん。
ごめん、まふくんごめん。
約束するよ。
私もうどこにも行かないから。
もう二度と離れないからっ…!!』
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あの後私たちは、ただひたすら泣き続けた。
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久々にコメント!!
大体いつも文字数アウトやからなぁ(苦笑)
まふくん編1おわりました!!
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むめー(サブ垢) - みうと君さん» ありがとうございます! 最近とても放置してました… 反映されてますかね?笑 これからもよろしくお願いしますっ! (2017年11月18日 11時) (レス) id: e4ee9b1cec (このIDを非表示/違反報告)
みうと君(プロフ) - コメ失礼します、楽しく読ませて頂いてます!…失礼ながら,名前設定が反映されていません…もしお忙しくなくて,お時間があれば直して頂けると助かります…!これからも頑張ってください! (2017年11月4日 15時) (レス) id: e9b790e98f (このIDを非表示/違反報告)
Lily(プロフ) - ありがとうございます!私はこのコメントと同じLilyなので、フォローしたらよろしくお願いします!! (2017年10月2日 18時) (レス) id: 9ad134d083 (このIDを非表示/違反報告)
みんなの忘れ物(プロフ) - Lilyさん» @lie_mumeです!! (2017年10月2日 16時) (レス) id: 314127b592 (このIDを非表示/違反報告)
Lily(プロフ) - まじですか!?!?アカウント教えて欲しいです! (2017年10月1日 15時) (レス) id: 9ad134d083 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むめー(みんなの忘れ物) | 作者ホームページ:http://commu.nosv.org/bbs/0je7422438d394p
作成日時:2017年6月10日 21時