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「お前ぶっ殺すぞ！調子乗ってんじゃねーよ」
「グラサンなんかかけてっから自分しか見えねぇんだろうが」
グラサンの子、こと埼玉と北原くんが対峙している。
一触即発の雰囲気に食堂中が好奇心と嫌悪、恐怖、心配など様々な視線を向けている。学校は小さな社会というが、本当にその通りだと思う。俺は事故に遭った時に一瞬だけこちらへスマホを向けていた誰かのことを思い出して眉を顰めた。
二人と背後に控える二人の仲間(？)達はお互い鋭く睨みあったまま、今にも殴り合いを始めそうだ。なにかのドラマか漫画みたいだ。発端は埼玉とはいえ、止めたほうがいいよなきっと…。
蛍介や森永くん、今くんも驚いているのか動けないでいるみたいで…。…漫画？
「おい、グラサン」
その時、よく通る低い声が凜と響いた。
ズキリと頭が痛むような気がする。
やはりどこかに打ち付けてしまったのだろうか。
「バスコだ」
「ケンカして学校休んでたんでしょ？」
「何十人も相手してたって」
バスコ。
そう呼ばれた男は、ギャラリーの声など気にも留めない様子で埼玉を見ている。
筋肉質な身体に降ろされたツナギ。タンクトップに隠れていない腕や胸元にはタトゥーが入っており、後ろにも同じツナギを着たイカツめの男子が二人、同じように埼玉を睨みつけている。
ああ、なんだ、このデジャヴは。
「…コップはちゃんと返却台へ持っていけ」
「テメーら揃いも揃って…全員死にてーのか！部外者が首突っ込むんじゃねーよ」
「物を投げるなと親に教育されなかったのか？」
「はあ？とっとと失せろや！」
「俺が代わりに教育してやってもいいぞ」
口論の応酬を見てると、徐々に頭痛が増していくような気がする。
バスコという男の後ろに控える、ソフトモヒカンをした耳のでかい男を見た瞬間、俺の中で何かが整合性を持ってぐるぐると渦巻き始めた。
…頭が痛い。
「…ねえ、君、大丈夫？」
「…A？」
「頭が痛いの？」
蛍介や森永くん、今くんが様子のおかしい俺に気がつき次々に心配そうに見つめてくるが、頭が酷く痛んでこめかみをきつく抑えて頷くことしかできない。
「フッやんのか？」
「ああ、やってやるよ」
…だめだ。
「…グラサン外せ」
バ キ ッ
「！！」
もう、ここから一刻も早く出て行きたい。
立ち上がると同時に握りしめたままだったプラスチックのコップが割れてしまった。
てめえもやるのか、という声を後に俺は返却台へ割れたコップを乱暴に置いて食堂を出て行った。
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はす(プロフ) - 外見至上主義好きで検索したらこんなにも面白いのが見つかるとは思いませんでした！！最高です、腐ってるので尚更好きです、ありがとうございます！！！ (2020年3月29日 14時) (
レス) id: ea36bea7ab (このIDを非表示/違反報告)
レイ - めっちゃ好みです！更新待ってます！ (2019年4月24日 2時) (レス) id: 3b97929db8 (このIDを非表示/違反報告)
月弥(プロフ) - とても面白いです！！外見至上主義大好きなんです！！ちなみに腐ってるので最高です！！ (2017年12月10日 11時) (レス) id: d5d31cb4b5 (このIDを非表示/違反報告)
ニルヴァーナ(プロフ) - ついたままでしたね。ご指摘ありがとうございます！ (2017年8月23日 10時) (レス) id: ad95aab6ae (このIDを非表示/違反報告)
みく@企画垢(プロフ) - オリジナルフラグを外してくださいね (2017年8月23日 9時) (レス) id: e89ce37d74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涅槃 | 作成日時：2017年8月16日 16時
