Lonely Only Girl 2

73 . 用意周到 ページ24

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私が紫耀くんからもらったチケットは
東京公演の最終日だった









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何週間か前から
インターネットでコンサートに必要なものなんかを
調べたりしていた









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私が見つけたホームページは
初心者でも分かりやすいようにまとめてくれていた









コンサートに着ていく洋服や髪形
爪までも可愛くしていく彼女たちは


まるで "恋するオンナノコ"









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少しでも"彼"によく見られたい









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彼らへの愛が犇々犇々(ひしひし)と伝わってきて


胸がキュッと締め付けられた









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メンバーにはそれぞれイメージカラーというものがあり、


ファンはその色を身に着けていくのだとか









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紫耀くんのイメージカラーは"赤"ではなく"深紅"


と念を押して書かれてあった









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クローゼットを開くと


今日のために買った紅いワンピースが一着









早く着てくれと言わんばかりの輝きを放っていた









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折角、少しお小遣いをはたいたのに
着ていく気にならない









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派手なワンピースの隣に
まるで影のように佇むネイビーのワンピース









今の私を見ているみたいで
可哀想に見えてそっちを手に取った









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決して派手ではないけれど、


これが私には合っているんだ









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そう自分に言い聞かせた









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服を着替えて、


クローゼットを閉める









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扉が完全に締まるその時まで


私は真赤なワンピースから目を離さなかった






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