Lonely Only Girl 2

69 . 灰色の世界 ページ20

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宇佐美さんの声で現実に引き戻される









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「どなたですか？」









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宇佐美さんはどうやら紫耀くんに気付いていない









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「し、知り合いなんです！…ちょっとした…」









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ちらりと顔色を伺ってみるけど、


宇佐美さんが何を考えているかは
私には分からなかった









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２人はペコリと頭を下げ挨拶をする









だけど、


それ以上は何も言葉を交わそうとはしなかった









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「…それじゃあ、ここで」









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宇佐美さんが言おうとしていたことが
少し引っかかったけど、


それよりも早くこの場を離れたかった









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駅の広場を後にして、


紫耀くんの車が止まっている駐車場まで歩く









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紫耀くんは
私とと歩くときは必ず隣を歩いてくれるのに


なぜか今日は歩幅が合わなくて、


私は紫耀くんのかかとを見つめながら、
後ろを着いていく









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紫耀くんは急に立ち止まり、振り返って、









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「ごめん、俺歩くの早かったよね」









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眉毛を下げ、申し訳なさそうと言った









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「私なら大丈夫だよ」









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何とか笑顔を取り繕ってみる









だけど、


頭の中は



何かしちゃったかな

嫌われちゃったかな



ネガティブなことばかりがぐるぐる巡る









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車内でもいつもなら
今日の出来事を共有しあうのに、


私も紫耀くんも口を開こうとはしない









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紫耀くんに久し振りに会えてこんなに嬉しいのに


紫耀くんに話したいことがいっぱいあったのに









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会いたかったよ って
寂しかったよ って



本当のことを口に出せない苦しさが
私の胸を締め付ける





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