▽昔日の記憶 ページ19
それは中学生の頃の話だった。
『彼』は同じクラスの所謂、優等生だった。何せ、才があって、私よりも勉強、運動、統括、趣味、対人関係なんかがよっぽど充実していたと思う。当時の私は羨ましさと同時に憧れとなった。
その私は父が外国出身、ハーバード大卒なのもあって、英語のできる優等生として大きな偏見を持たれていた。
だからこそ、英語の成績が他人より落ちぶれたものになる訳には行かなかった。勉強ができる人間になりたかった。
ただ、頼られる人間になりたかった。
そういう考えが根強くついたせいで、ある日徹夜の影響か、体調を崩した。
ふらっと目眩がして倒れるという、なんとも格好悪いもので。
その時に助けてくれたのが『彼』だった。
__『ずるいなぁ…。』
彼の普段の行いと優しさといい。私からすれば、彼は何処にも非の打ち所がないのだ。
どうやら私は彼が好きだったようで。ただ一方的だったり伝える間も無く終わったりしたのもあって過去形になってしまった。
もしもう一度会えたのなら。彼にとって、ただの"頼れる人間"として横に並んでいたい。
そう思っている。
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作者名:光希 | 作成日時:2022年9月7日 20時