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彩りなくして優勝はない ページ4

「____え。」
結果、9位…?

どうして…?

「音宮さんのは凄く上手いと思ったんだけど、何かが物足りなかった。」

「あれじゃあ、ただの指示通りに従うロボットだ。もっと期待してたんだがな」

「…」
隣にいつも文句を言ってくる彼女が変な表情をしてこちらを見つめてくる。

「…なっ、どうよ!
これで底辺の気持ちも味わえたことじゃない。」
「そうだね、」
正直、悔しくない。
今回の演奏は、あまりに普通すぎたから。
「ボーカロイド曲、聴いてみてよ!
何か思ったことあったら言ってさ。色んな感情で音が変わるんだし、一度は聴いてみるべき!」
少し仲の良い友人が言ったボーカロイド曲、というワードを思い出す。
聴いてみるべき、か…。

お母様が隣に居ることに気がついた。
怖い。ただ、怖い。
「お母様…」

「帰りましょう。」
強引に腕を引っ張られる。
少し、痛い。

視界から消えるまで、ずっと彼女は心配そうな目で私を見ていた。

同情はいらない。
悪いのは、私。

愛想笑いは自然に起こる→←勝利の意味が薄れてく



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作者名:光希 | 作成日時:2021年4月14日 16時

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