【レオン】出会いと別れ�� ページ47
こうして二人をなくなく見送った後、あとはグレイと頼光さんのサーヴァント処理をしなければと二騎の元へと向かう。
「短い間でしたが、大変お世話になりましたっ」
「所長という立場もあると思いますが、あまりひとりで抱えてはだめですよ？」
「おう。二人ともありがとう。短い間だったけど、ありすとそーちゃんがお世話になったな」
"いいえ"と声を揃え、微笑む二人。
そんなふたりを目にしたらまたじわじわと涙腺が緩む。まじで歳かもしれない。
「二人がここへ帰ってくる日がきたら、そのときは…よろしくな」
にこりと微笑みかければ、少し驚いた様子をみせたふたりは了承した後、光粒と共に姿を消す。
「ロード、泣くなよ」
「泣いてなどいない。誰が、こんなことで涙を流すか」
「お前、若いとき大概だっただろ」
「なっ、貴様。余計なお世話だ。私は先にいくからなっ」
ズンズンとその場をあとにしたロードを見送れば、食堂へと再び戻る。
このまま所長室に戻るというのも、なんとも物悲しすぎる。
「誰かいるかもしれないしな」
重い足取りで食堂へと向かえば、入口に立つ人物はあまりに意外な人物であった。
「なにをそんなに暗い顔をしている」
「ギルガメッシュ王…？何故、このような場所に？」
「なに。樹のやつが様子を見てこいとうるさくてな。気分転換がてら大の大人が"涙ちょちょぎれ状態"というのを見にやってきたのだ。なるほど、これがそのような状態…フハハハ、今にも泣きそうではないか！！」
いやそこ笑うとこじゃないから。
申し訳ないが今は構っている暇はない、と内心秘め、会釈し通過しようと試みれば不意に声をかけられた。
「別れを惜しむことは恥ずかしいことではない。だが、送る者がそんな顔をしては送られる側はどんな気持ちで去ればよいのだ。今生の別れもないだろうに…阿呆らしい」
わしゃりと髪を撫でられる感覚に戦慄していれば、その場を後にする王。
「励ましにきてくれたのか…？いやまさかな」
食堂の扉を開き、中へと入れば飲み直しをしている碧と目が合う。
なるほど、考えることは同じというわけか。
「無事、二人は見送ったのかぃ？」
ひらひらと手をふり相変わらずのマイペースぶりをみせる碧。
「嗚呼、無事見送ってきた。ルイスは？」
「妹を寝かせに」
「なるほど、じゃあ戻ってくるまで俺たちで飲んどくか」
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