【月宮薊】幼馴染との再会�� ページ44
独立人理継続保証機関"unknown"からの手紙を母から貰った。
そして、今面接を受けるため廊下を歩いている。
案内された場所へ行き、ドアをノックすると
男性の声がした。確か、24歳の所長だったはずだ。
そんなことを考えながら、部屋に入る。
｢失礼します…。月宮薊です。｣
そう名乗りながら、礼儀正しくお辞儀をすると…
息を呑む音が聞こえた。
私は、首をかしげながら顔を上げると。所長であろう椅子に座った男性と、その隣にいるサーヴァントであろう男性が立っていた。
｢マスター、大丈夫か？面接を始めるんだろう？｣
そう、彼のサーヴァントは言った。
すると、はっとしてコホンと一つ咳払いをした。
｢うん、改めて。初めまして…いや、初めましてではないよね。俺は、レオン・キャンベル。こちらは、諸葛孔明だよ。｣
レオン・キャンベル…どこかで聞いたような。
幼い頃、いつも遊んでくれるお兄ちゃんのような人がいた。その人も…レオンって名前だったな。
そう思っていると、孔明が咳払いをした。
｢あっ、すみません。こちらこそ、改めまして。月宮薊です。この度は、お手紙ありがとうございます。｣
レオンさんは、事前に送られてきた私の履歴書を見ていた。
｢えっと、月宮薊ちゃん。君の魔術は、医療系の魔術でいい？｣
そう問われ、頷き答える。
｢はい、そうです。医療系であり、サポート系も使えます。ただ、攻撃系にはあまり自信はありませんが。｣
そう聞いて、レオンさんは頷く。
｢じゃあ、次ね。薊ちゃん、君はどうして。お父さんの跡を継ごうとしなかったんだい？｣
まさか、そんなことを聞かれるとは思わなかった。
｢…私は、ある人との約束を果たしたいんです。｣
レオンさんは、メガネを直し聞く気でいた。
そして、私はゆっくりと口を開いた。
｢その人は、私の生き方を変えてくれました。｣
幼い頃、私は父から医学や魔術を叩き込まれていた。
友達とも遊ばずにただひたすらに、病院を継ぐために。
けれど、彼との出会いが…。私を変えてくれたのだ。
まだ、4歳になったばかりの私は母と一緒に散歩をしていた。散歩から帰ると、お隣の家に、引っ越してきた一家がいた。
それが、幼馴染となるお兄ちゃんだ。
彼とは、5年くらい一緒にいた。
私が、父から魔術などを学んだあと。こっそりと来てくれ話をしてくれた。
そしてある日、彼は私に言った。
｢もっと自由に生きたらいいと思うな。薊は、自分のしたい事した方が良いよ｣
(続く)
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