【千景椿】Ａチーム�� ページ35
樹も頑張ったんだもん。私も頑張らないと！と、コフィンに乗り込んだのがまるで嘘のような景色に驚く。
光に包まれレイシフトしたその先は、馴染みのない景色。
だけど、この心地良い頬を撫でる風に草花の香り…この世界は確かにここに存在している。
辺りを見回したところ、ここは古城があったようで城壁を目にすれば必然と胸が躍る。
女の子なら誰だってお城やお姫様に憧れたはずだ。
特に私たちのような日本人からすれば西洋のお城なんてまさに憧れ。
その気持ちを不意に口に出していたみたいで、ルイスさんがドレスを投影してくれると言ってくれたときにはびっくりした。
すごい、投影魔術って本当にいろいろなことができるんだ…！
外でみんなを待たせてる間にせっせと袖を通していればこれが中々難しくて、アルトリアに途中手伝ってもらうもなんとか着ることができ、姿見をみせてもらえば「はわぁ」と顔が綻んでしまう。
英国紳士さんとマーリン様から褒められてしまったのだから仕方ないっ。
ふらついたところをアルトリアに助けてもらえば御礼を伝え気合を入れ直す。
よおっし、頑張らないとね。
けれど、遠方から感じるこの気配。このピリっとくる感じ。少しばかり感じる嫌な予感に魔力を高める。そう、いつでも発動できるように。
「マーリン様、あれは…っ」
「ふむふむ、どうやら所長は多少性格が悪いみたいだね。まさか相性が悪いエネミーをを出現する場所へ飛ばすだなんて、いやぁ困った困った」
ルイスさんとマーリン様はきっと前にでて戦う魔術じゃない…私がアルトリアと頑張らないと…っ
「私も頑張ります…！」
と前にでればみんなに被害をださないように…となるべく威力を考え電撃へと変換していく。
敵が重なったラインをなるべく狙って…片目を瞑り照準を合わせ片腕を銃を作るように前へだしタイミングを測る。
「ここ…！」
タイミングをとり、バチンッと指を鳴らせば放たれる
まずは命中したことに安心すれば背後のやりとりに振り向く。
「フォウくん…！こっちおいで！」
と手を差し出した途端の背後の殺意に気づくのに遅れた。
アルトリアの咄嗟の判断のおかげで頬を掠める程度の怪我で済んだが、ルイスさんの様子がおかしい。
なんでルイスさんが前に…！
「ルイスさん、待って…！」
(続きます)
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