【千景椿】Ａチーム�� ページ34
レオンさんから"レイシフト"と聞き、早速なのかと驚いたのは先程までのこと。
世間話しをする上で、驚いたのは、一緒にレイシフトすることになった英国紳士さん…もといルイスさんの英霊が彼…彼女だったということ。
小さい時から樹とわくわくしながら読んだあの"アーサー王伝説"のアーサー王その人だ。
でも実際は女の人だったようで、彼女は"アルトリア"であると私に名乗ってくれた。
性別なんて大きな問題にならない。むしろ、同姓の女の人が偉業を成していたことに胸を躍らせないわけはなくて、素直に"小さい頃から憧れだったの！"と気持ちを伝えてみた。
この気持ちに嘘偽りはないし、樹も知ったらきっと喜ぶと思う。
そっか、本当にこの人が――。
瞳を輝かせ彼女を見据えれば、にこりと微笑み「ありがとうございます」と言葉にしてくれた。
少しは仲良くなれたのかな、と心がほっこりとすればこそっとマーリン様からされた耳打ちにどきっとしてしまう。
いきなりのことだったんだもん。仕方ないっ。
「マイロード。アルトリアに同じ髪型にしてみたい…と伝えてみてはどうだろう？」
「へっ？！」
と、変な声をこぼせば「マーリン。ツバキから今すぐ離れてください！」とアルトリアから声がかかり「おっと、怒られてしまった」と離れた彼は私にそっとウィンクをする。
でも、そんなことお願いしていいのかな…
「ツバキ、大丈夫ですか？なにも変なことはされていませんね」
と心配してくれるアルトリアに意を決し「アルトリア！」と手を引けば少し驚いた様子でこちらを見据える彼女に手招きをする。
この場で口にするにはちょっと恥ずかしいから…っ
「あの…もしよかったらなんだけど、その…アルトリアと同じ髪型で…戦いたいなって…だめ、かな？」
そっと囁きお願いをすれば自分でしたお願いなのに恥ずかしくて沸騰しそうだ。
耳まで赤くなってるのが自分でもわかる。
おそるおそる顔を上げれば再び通わせた彼女はにこりと「断る理由がありません」と了承してくれる。
「良かったね、マイロード」
と微笑むマーリン様の傍らで微笑ましそうに見守ってくれるルイスさんに「待たせちゃってすみません…！」と髪のセットに待たせたことをお詫びすれば"似合ってますよ"なんて言われてしまい、再び顔に熱が集まってしまう。
そうだ、あとで樹にも見せにいかなきゃ…！
(続きます)
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