【ノア・エインズワース】Dチーム�� ページ23
宝具で倒せない相手だとしても、ここらの雑魚をお前が倒せないわけがない。
それになにも、宝具を当てなくてもいい。
こんな奴ら、余波で飛ばしてしまえば十分だ。
『エルキドゥ。こんなことを言うつもりはなかったけど…今は僕を信じてその力を振るうんだ。仕方ないから、ますは僕が君に力を示す』
……きっと、僕の星の力を彼に付加すれば、彼だからこそ強化魔術となるはず。
『…わかったよ、マスター。的確に行こう』
エマの詠唱が始まると同時に、詠唱を開始し徐々に我がエインズワースの力を発揮する。
丁寧に練り上げて…なるべく純度の高いものを。
エルキドゥだけじゃない。
あそこにはグレイも……なにしろ、ありすがいる。
３人で時計塔に恥じない戦いをしなくちゃな。
練り上げた魔術を前衛の３人に放てば、一瞬、エルキドゥの口元がゆるむところを見た気がした。
「なんだよ、エルキドゥのやつ…」
少しでも僕はマスターとして彼に認めてもらえたのかな。
「呼び起こすは星の息吹。人と共に歩もう、僕は。故に――『
まるで１つの武器となった彼を見据えれば、立ち込める土煙から瞳を守る。
「終わった…のか？」
地から手を離したそのとき、僕は……敵の襲撃に気づけなかった。
死角となる場所からの攻撃。
気付けるはずもない。これは受けても仕方ない、油断した、未熟者の僕に相応しいダメージだ。
痛みを待つその最中、態勢を崩すエマを瞳に捉える。
さすがの彼女もあれだけの魔術を放てばフラフラか。
と、まるでスローモーションのようにみえる世界に苦笑いする。
そのときだ、エマが伸ばした手に現れた二丁拳銃を捕らえたのは。
「貴方のそういうところが嫌いなのよ」
確かにそう僕に放った彼女は引き金をひき見事、背後の敵に命中させる。
咄嗟のことでいろいろ理解が遅れる…けど、僕を助けてくれたのだろう。
…うん、そう思うことにしよう、あとが怖いし。
とりあえず、戦闘も終わったか…と立ち上がり埃をはたけば彼女を支えるライネスの元へと向かう。
「君、最後のはいただけないね。自己犠牲ほどつまらんものはないと思うのだが」
「そんな風に見えてたのか」
「むしろそれ以外なにに見えると？」
「……僕の未熟さを悔いての行為さ」
とそっぽを向いて答えれば、大笑いされた。
「笑うことないだろ！！！」
(続きます)
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