栞の無いhistorynight【オリジナル・合作】 (ページ39)

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38話ページ39

「フェリチタ…どうゆう事だ？？」

「違う、違うわっ！あれは私達を陥れるための罠よっ！！」

「…………」

「ねぇ！信じてよ！！本当に…違う…よぉ……」

初めて見たフェリチタの涙。
今までフェリチタは一度も俺達に涙を見せなかった。

疑った俺がばかだった。
彼女を僕は泣かせたんだ。
仲間なのに……敵の言葉を鵜呑みにした。

「ごめん、フェリチタ」

「だから違うんだってぇ！」

「そうじゃなくてっ」

俺は、触れば壊れてしまいそうな弱々しいフェリチタを優しく抱き締めた。

「疑ってごめん…次からは何て言われようと信じるから」

「本当？」

「仲間だろ？」

「うんっ…」

俺は知らなかった。
この時、フェリチタが勝ち誇った顔をした事に。
いや、俺だけじゃない。
ルアルもウェンズもティエラも。

たった一人以外皆、気付かない。

「そう人を簡単に、信じたらいけないよ」

影で観ていたブライト以外…。