52話 ページ6
「どの本にも載ってない話だ」
*
昔、小さな村がありました
そこに住む少年は幸せに暮らしていました
両親と妹と、四人家族でした
ある日少年は夢を見ました
奈落の底へ落ちるような衝撃がありました
そして、少年は目を覚ましました
まわりは
【焼け野原になっていました】
少年は両親を、妹の名を呼びました
呼んでも呼んでも、返事はきませんでした
傷を負った左腕を抱きしめながら
少年は泣きました、ずっとずっと
そして【戦争】という身勝手なものに全てを奪われた少年は
今度こそなにも取られないように
人々の上に立つことを決めました
*
「ブライト・・・・・それって」
おとぎ話なんかじゃなくて・・・・・
ブライトの左腕だけ服の袖が長いのは
全てを無くす怖さを知っているのは
「なんのこと?これは【おとぎ話】だぜ?
・・・・・この『予言の書』からも除外されてる話だけどな」
そう笑う姿は自嘲的だった
・・・・・やっぱり
「この人は・・・・・悪くない(ボソッ」
そしてブライトに向き直る
「お願いだ。真実を教えてくれ。いや・・・・・教えてください」
「・・・・・それが辛い真実でも?」
キッパリ頷く
「・・・・・じゃ、話したげる」
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