59話 ページ13
あれから、また前と同じように…龍の剣を手に入れた。
ルアルも同じ杖を手に入れた。
あの時と何も変わらない。
はずだった……。
また、魔物が…ゴブリンが村を攻めてきて俺とルアルが戦うことになった。
大丈夫だと心に言い聞かせる。
今まで起こった事は前に起こったことと一緒だ。
だから、緊張感なんて…警戒心なんてどこにもなかった。
そして、そんな中で戦って得たものは友の…ルアルの冷たい体、しゃべることも目を開けることのできない体。
ルアルはこの世を去ったんだ…。
『どうして、お兄ちゃんは死んだの?どうして?どうして!』
俺の周りに集まってくる子ども達。
全員、ルアルの事を慕い、大好きだった子ども達だ。
その子ども達から俺は…ルアルを奪ったんだ。
ルアルは俺を庇って……っ!
*
『リーヴルっ!後ろっ!!』
『えっ?』
後ろを振り向いた時、そこで目にしたのは俺を庇ったルアルに魔物の攻撃が深く当たった所だった。
『ルアルっ!?』
*
『……いさ…が…お兄さんがこの村に来なかったらお兄ちゃんはっお兄ちゃんはっ!!』
ーー死ななかったっーー
その言葉がグサッときた。
俺がヤッたんだ…
ルアルを……
コロシタンダ…。
『あ"ぁ"ぁ"ぁ''ぁ"ぁ''ぁ"ぁ''ぁ"っ!!!』
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