20 ページ20
☆。°
カタンと障子を開けて入ってきた人。
ゆっくりと座って、向き合い
顔を合わせる。
「…あ！君は」
A「…あ、え？
あ、お久しぶりです？」
入ってきたのはあの時あった人。
あの時っていうのはだいぶ前のニコニコ立食会。
あそこでお酒を渡してきた人。
「そうかそうか、君だったんだね。
よかった。変な人だったらどうしようかと不安だったんだ。
改めまして、こんにちは
伊東司と申します
伊東歌詞太郎と言ったらわかるかな？？」
まふがいっていた、女性が苦手というのはよく聞く噂だ。
さらに申し訳なさを感じる。
A「こんにちは、橘花Aです。
本日はありがとうございます。
さっそくなんですが…」
伊東「いやいや、言いたいことはわかっているよ。
君にはまふくんがいるね。
自分が出る幕ではないんじゃないかな」
こちらの事情をちゃんと知っている人。
よかった、話は早く進んでくれそう。
とりあえず暖かいお茶を飲んで、餡蜜を食べた。
伊東さんは、うちのおばあちゃんとの関係の話も、まふのはなしもいっぱいしてくれた。
あと猫の話。
伊東「そうだねぇ、まふくんだったらきっと安心だね」
A「はい、あの、
伊東さんは、その、、
これでいいんですか？」
伊東「ん？？
……あぁ、
自分、しばらくはそういう関係の人は必要だと思ってないんだ。
音楽が愛しい。歌が愛しい。それだけで結構抱えてしまうんだ。
彼もそうだったはずなのに、君はすごいね」
音楽との心中を唱えている、それはよくあることなのでしょうか。
そういう人が音楽家には多いのでしょうか。
真摯に向き合う姿。
それはとても神々しく、安易に触れて良いものではないのかもしれません。
A「……支えになれればと」
伊東「うん、うん！！
いやぁ、いいね、いいねぇ……」
ぎゅっと手を握りしめて、真っ直ぐに伊東さんと目を合わせて、
A「……私の手を見て、どう思いますか」
伊東「手？
手かぁ……
綺麗だと思うよ？細くてしなやかな女性の手だ」
A「……そうですか」
やはり、私にとっては
まふしかいないと思う、
しっかりお断りを入れて、お店を出た。
next
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 341人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
林檎桜(プロフ) - ちょこさん» ありがとうございます。のんびりしていますし、逃亡が多いもので申し訳ありません。 (5月5日 23時) (
レス) id: 3cfd4997a4 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - この作品好きです！続き楽しみに待ってます！ (2023年4月7日 9時) (レス) @page25 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
衣緒 - 林檎桜さん» 林檎桜さんのアカウントをフォローさせていただいてもよろしいでしょうか..？ (2021年11月21日 12時) (レス) id: 6aa264b51c (このIDを非表示/違反報告)
衣緒 - 林檎桜さん» 返信が遅れてしまい大変申し訳ありません..！はいどれという名前でTwitterをしております。@Dff7T_szで検索すると出てくるかと思います。 (2021年11月21日 12時) (レス) id: 6aa264b51c (このIDを非表示/違反報告)
林檎桜(プロフ) - 衣緒さん» コメントありがとうございます。とても嬉しいのですが、提示していた時にトラブルがあったためツイッターアカウントは今現在提示しておりません。衣緒様のアカウントをご提示くだされば、リア垢などからご挨拶はさせていただきたく思います。 (2021年8月28日 17時) (レス) id: 3cfd4997a4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：林檎桜 | 作成日時：2019年5月13日 13時
