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「だからさ、とりあえず連絡先交換しよーよ！ね、いいでしょ？」
ガタッという音を立ててテーブルに乗り出し、私にキラキラとした視線を送る。そこまで食い気味に頼まれてしまえば断ることなどできない。いやそもそも、クラスメイトと連絡先を交換できるなんて願ったり叶ったりだ。
慌ててスクールバッグからスマホを取り出すと、チャットアプリを開く。
その１分後には、アプリのトップ画面に"新規友だち"という欄が出来ており、ふたりのアカウントが記されていた。アプリの繋がった人数の表示が増加したことに喜びを覚え、無意識に笑みが溢れる。
そんな嬉しみに満ちた私を見つめる視線には気づかずに。
「これでおっけーっと。よかったね〜ぐちさん！Aちゃんの連絡先げっ
「お前いい加減にしないとあれだからな、まじで、あの…あれだからな？！」
口を開けば言い合いをする２人を見て、その仲の良さを酷く羨ましく思った。喧嘩するほど仲が良い、そんな言葉を代表するかのような関係。私は本当に、彼らと友達になれるのだろうか…？
「で、Aの答えは？」
『へ？』
突然話を戻され、全く別のことに思考を巡らせていた私は間抜けな声をあげた。
答え。それは夏津樹さんの言う頼みを引き受けるのか否かに関してだろう。
私の答えはもう決まっている。私も、人からギターを、音楽を教わった。私は彼のようには上手く教えることなんて出来ないかもしれない。しかしそれでも、今の私が役に立つのなら。私を名指しでわざわざ頼りに来てくれた彼に、その期待に答えなくてはいけないだろうと思った。
「む、無理強いはしません。だからっその…」
『や、やります！私なんかで良ければ…ぜひやらせて下さい！
私もまだまだ、ギターの腕前は人様に自慢できるようなものじゃないです。で、でも！かっ…ぐ、ぐちつぼくんが！私でいいと言うなら…！』
そこで私は初めて会話の中で彼の顔を見た。目こそ合わせられなかったものの、今までの私にしては及第点だと言わせて欲しい。
「まじで、いいんすか…？」
「だぁからいいって言われてんじゃ〜ん！ね、Aちゃん？」
『は、はい！』
おずおずと再確認するぐちつぼさん。なんだかんだ私達は、他人とコミュニケーションを取ることにおいて似た欠点をもっているらしかった。先程らだおが言っていたとおり、今後私達はその欠点を互いに克服していくことができるのかもしれない。
すると彼は、私に右手を差し出しこう言った。
「これからよろしくお願いします、Aさん」
こうして、わたしたちの関係が幕を開けた。
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緑川(プロフ) - ぴとあさん» コメントありがとうございます!!そのように評価していただけてとても嬉しいです；； 体調を崩されてらっしゃるのですね、お大事になさって下さい。当方の作品で少しでも元気になっていただければと思います！ 励みになります、今後ともどうぞよろしくお願いします。 (1月2日 21時) (
レス) id: 581670bd91 (このIDを非表示/違反報告)
ぴとあ - 好きです…！評価の星の右側を何百万回押したいぐらい！最近寒いので体調に気をつけて頑張ってください。（僕は今発熱なう）応援してます！あと夢主の勉強嫌いめっちゃ共感 (12月31日 15時) (レス) @page46 id: dda73027c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緑川林檎 | 作成日時：2023年8月5日 5時
