１-３）友情の予感。 ページ13
《Aside》
結露したグラスを見つめ考える。今なぜ、特に深い交流もないクラスメイト２人とらだお、そして私の４名で学校近くの喫茶店に来ているのかと。
「ねぇA〜お願いだから無視しないでよぉ〜？
俺Aに嫌われたら生きていけない…」
ソファ席で真隣に腰掛けるらだおは、私の左腕の自由を奪いながらに訴える。渋々視線をやると、間近にその整った顔立ちがあった。少々驚いて左腕に絡む温もりを振り払う。そして冷えたカフェオレをひとくち。
私の冷めた態度を見て更に不安が募ったのか、らだおはそのままテーブルに突っ伏し被害者ヅラを始めた。
目の前の彼らはそんな私たちのやりとりを何も言わずに見つめていた。
ああ、一体どうしてこうなってしまったんだ。
それは遡ること数十分前＿＿＿
放課後。夕日が差し掛かる頃。
私はため息と共に職員室を後にしていた。未だに鼓膜にこびりつく教師の怒号は、二度とその悪態をしてはならないと警告を鳴らしているように感じる。
授業中に居眠りをしてしまったがゆえに、潰されてしまった放課後。今日は早々帰宅して、店の手伝いもないので悠々とギターの練習に励もうと決めていたのに。
その楽しみを奪ったのは、紛れもなく過去の私であった。これが反抗期というものなのだろうか。私は本日の失態を、なんら面白くもない授業をした教師のせいだと決めつけた。
少々憂鬱な足取りで鞄を取りに教室へと向かう。こんなとき、友達という存在があれば愚痴を聞いてもらえたのだろうか。
そんな妄言を頭の中で並べ立てながら、教室の扉をガラリと開けた。
「あっ！Aさん帰ってきたよぐちさーん！」
耳に飛び込んできたその声に、ビクリと大きく体を震わす。声の主の居るであろう方向へ顔を向けると、そこにはクラスメイトと思わしき生徒が２名。
「おっまじか。遅かったっすね、白井さん」
片方は、クラスの女子生徒から密かに妬まれるほど美しい金髪のロングヘアを持つ男子生徒。
もう片方は黒縁メガネの長身で、深緑の短髪の男子生徒。私の勘違いでなければ、彼は確かクラス委員を務めている。いかにもな優等生振りとムードメーカーな性格、これまでにないほど私とは正反対の男。
私の隣の席の、男。
なぜ彼らがここに？金髪の生徒が言うに、私を待っていたと思われる。なぜ…？
私の脳内は、その理由を探るべくぐるぐると回りだす。
クラスの人気者がこのクラスの最底辺とも言える存在に何の用があるのだ。なにか面倒くさい仕事を押し付けられる？弱みを握られ虐められる？
よからぬ方へと進行していく私の思考は、その偏見とは裏腹な声色によって止められた。
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緑川(プロフ) - ぴとあさん» コメントありがとうございます!!そのように評価していただけてとても嬉しいです；； 体調を崩されてらっしゃるのですね、お大事になさって下さい。当方の作品で少しでも元気になっていただければと思います！ 励みになります、今後ともどうぞよろしくお願いします。 (1月2日 21時) (
レス) id: 581670bd91 (このIDを非表示/違反報告)
ぴとあ - 好きです…！評価の星の右側を何百万回押したいぐらい！最近寒いので体調に気をつけて頑張ってください。（僕は今発熱なう）応援してます！あと夢主の勉強嫌いめっちゃ共感 (12月31日 15時) (レス) @page46 id: dda73027c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緑川林檎 | 作成日時：2023年8月5日 5時
