勤務5日目 ページ7
『と、とりあえずどうぞ…』
このまま突っ立っていても何も始まらない
とりあえず中へ案内してコーヒーとお菓子を用意した
『あ、あの…どういった用件で…』
「…ある確認がしたくて、…お前、宮か?」
『宮…?…あぁ、そうか、』
一瞬人違いかと思ったけれど、すぐに理解した
宮は私の昔の苗字、今となっては懐かしい
『ってことは、きみは御剣くんで間違いないのか…』
「そうだ」
『久しぶりだね、何年ぶりかな?』
まっすぐと、私の目を見ている
何もかもが見透かされそうな、強い眼光で
『…何かの間違いだって思いたかったけど…本当にあの有名な検事なんだね、
…一つ言っておきたかったことがあるんだ』
そういうと私はそっと御剣くんに手を伸ばし
スカーフを掴んで思い切り引き寄せた
『…いい加減にしてよ』
「な…、!?」
突然のことに彼は理解できなかったのだろう、困惑の表情を見せている
『無罪の人をでっち上げの証拠で有罪にしないでよ…!』
心理技官は、受刑者へカウンセリングを行うことがある
罪を犯していないのに、御剣検事に有罪にされたと零した人を何人も見てきた
『…でも、有罪を勝ち取るのが検事の仕事だもんね…ごめん、急に…』
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作者名:紅 | 作成日時:2022年1月4日 1時