勤務43日目 ページ45
『…ちょっと話過ぎたな』
「あ…!御心さん!どうだった?」
部屋から出ると、外で待っていた先輩が話しかけてきた
『なんとか会話はできましたけど…、事件のことはあまり話してもらえませんでした』
「そっか…それでも、話してもらえるだけでもすごい…」
『あの、…御剣くんの心理介入私が続けてもいいですか…』
「多重関係はあまり良くないんだけど…話が出来るのが今のところ御心さんだけだもんね、…じゃあお願いしようかな」
一か八かのお願いだったけれど、どうにかOKをもらうことが出来た
ようやく、御剣くんの力になれるときが来たのかもしれない
「明日の裁判で書記官もするって聞いたけど、大丈夫そう?」
『…それは初耳なんですけど』
なんとなく予感はしていたけれど、まさか本当に書記官の仕事もするとは
「…ごめんね、大変なのに」
『大変なのは先輩も同じでしょう…大丈夫です、任せてください』
今度先輩とご飯に行く約束をして、私は留置所を後にした
『ここが現場…』
このまま帰っても、モヤモヤして仕方がないから昨日事件があった公園へ
「Aさん!」
『…イトノコさん…、ほんといつも事件の度に会いますね』
「今回だけは…どうしても、…」
きっと御剣くんを助けたくて仕方がないんだろう
「御剣検事には会ったッスか…?」
『一応さっき会ってきましたけど、』
「どうだったッスか!?話してくれたッスか!?」
思い切り距離を縮めて聞いてくるイトノコさん
相当気になるみたいだ
『他の人よりは話せたみたいですど…事件についてはあまり…』
「そうッスか…」
目に見えてしょんぼりされてしまった
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作者名:紅 | 作成日時:2022年1月4日 1時