勤務40日目 ページ42
時が過ぎるのも早いもので、もう冬になっていた
真宵ちゃんとハロウィンパーティーしたのが昨日のように思えてしまう
『今年も悲しい片思いか…』
御剣くんとの関係は進展することなく、今年も終わりそう
せっかくのクリスマスだし、自分にご褒美としてお休みを取った…はずだった
『…もしもし?』
「あ!御心さん…!お休みのところ悪いんだけど…」
朝一番にかかってきた電話、相手は心理職の先輩からだった
『…なにかありましたか』
「実はね…今朝に事件の犯人が逮捕されたんだけど…」
『はぁ…』
「何も話してくれなくて、心理職が介入したんだけど…それでもだめで…」
残る心理職は私だけらしい
基本的に心理職は判決が下るまで介入することはないのに
先輩でもダメだったのに、私にできるのだろうか
それでも、やってみるしかない
『…分かりました、一時間後にはそちらに着くように出発します』
・
「御心さん!ごめんね、休みなのに…」
『いえ…仕方ないですよ』
私は予定通り、留置所にやってきた
「これ一応事件の概要とか名前載ってるから…」
『ひょうたん湖で事件…』
渡された資料の隅々にまで目を通す
『え…?』
ある名前を見つけて、心臓が大きく跳ねた
「どうかした…?」
『あ、あの…ここに書いてある名前って…』
「あぁ…御心さんからしたら上司になるもんね…ショックかもしれないけど…」
信じられなかった、…どうして、
『何で御剣くんが…』
ここで悩んでも始まらない、意を決して彼の元に足を運んだ
『…失礼します』
「……」
一瞬、私と目が合った
それでも、すぐに逸らされてしまう
98人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:紅 | 作成日時:2022年1月4日 1時