司法の傷心心理士【逆転裁判】 (ページ41)

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勤務39日目ページ41

法廷が終わり、これからの手続きを確認した後に私は弁護人の元へ足を運んだ

『弁護士さん』

「なんですか…」

『今日の法廷ではありがとうございました』

深くお辞儀をして感謝を伝える

法廷で対峙した弁護士には必ずそうしてきた

どんなに嫌味を言われようが必ず

「次は絶対リベンジします」

『はい…、次も負けませんから』

そう言い残して弁護士さんはその場を後にしてしまった

『できれば事件は起きて欲しくないし、法廷にも立ちたく無いけど……私も帰ろ』

「今日は大変だったな」

弁護士の後ろ姿を見届けて帰ろうとしたところで声をかけられた

『御剣くん…なんで傍聴席にいたの…』

相変わらずの無表情でこちらを見ている

「少し気になって」

『びっくりしたんだから！おかげで余計に緊張するし…』

法廷が終わって安心したのか、いつも以上に言葉が飛び出す

「まさか君が副検事だとは思わなくてな、…気になって特例で傍聴させてもらった」

『…そうか、…御剣くんも知らなかったんだもんね』

実は副検事であったこと、検事局にも何度か行っていることなど話をした

「…不思議なこともあるものだ」

『そうだねぇ…おそらく当分は検事の仕事は来ないと思うけれど』

複数の職種を掛け持ちするのは尋常じゃない

精神的にも身体的にも負担が大きい

「今にも眠ってしまうそうだな」

『できるものなら今すぐに寝たいぐらいだよ…』

「今日も送るか？」

『いや、自分で頑張って帰る！』

「そうか…気を付けるんだぞ」

こんな何気ない会話が出来る

それだけで楽しかった

クリスマスにあんな事件が起こるなんて思ってもなかった