司法の傷心心理士【逆転裁判】 (ページ32)

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勤務30日目ページ32

『へぇ…そんなことがあったんですね…』

その後も御剣くんの話をしながら歩いていく

私の家とは正反対の道を少しずつ

多分イトノコさんのことだから、向かっている先が私の家じゃなくて署の方だなんて分かってなんだろうな

イトノコさんらしいけど…

「あれ、なんか見たことある道ッス…」

本当に分かっていなかった

『……』

「あ、それでAさんのことを本当楽しそうに話すもんだから聞いたッス」

この人心配だ…とか思っていると、まだイトノコさんは話を振ってきた

『何を聞いたんですか？』

「Aさんのこと好きなんスかって」

『…え』

なんてことを聞いているんだ…

そう驚く自分と、その答えが知りたい自分がいた

『…答えは何て…？』

「そりゃあもちろん…」

「何をしている」

「『うわぁぁああ!?』」

タイミングが良い所で背後からいきなり声をかけられた

誰もいないと思っていたからこそ、二人してかなり驚いてしまった

「み、御剣検事…お疲れッス…」

『なんだ御剣くんか…』

「なかなか戻ってこないと思っていれば…何をしているんだ」

「Aさんを送っていたッス！遅れてしまったのは申し訳ないッス…」

話しながら歩いていたせいもあったからか、いつの間にか署の前まで来ていた

『…じゃあ私はここで、』

ここまでくれば、あとは帰るだけ

御剣くんがイトノコさんの質問に対してどう答えたのか、知りたかったけれど諦めることにする

ペコリと挨拶をして二人に背を向けて歩き出した

「おい、待て」

そう言われて腕を引かれるまでは