司法の傷心心理士【逆転裁判】 (ページ30)

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勤務28日目ページ30

『じゃあ九太くん、気を付けて帰ってね』

「うん！じゃあねお姉ちゃん！」

閉廷後、九太くんとおしゃべりという名目でカウンセリングをした

もう大丈夫だとは思うけれど

『少なくとも事件解決までは様子見かな…』

見送りをした後はまた別件の仕事へ

"調停離婚お子さんと面談"

スケジュールを確認して指定された部屋へ向かう

『ごめんなさい、お待たせしました…』

「……」

調停離婚の最中である夫婦のお子さん、お母さんと一緒に来てくれた

カウンセリングはただ話をする訳じゃない、相手の仕草や服装もしっかり見なければならない

『…ちょっと部屋暗いですね…、電気付けますね』

「……！」

『あ、…』

ただ電気をつけようとリモコンを上にしただけなのに、お子さんは反射的に体をひっこめた

『ごめんね、怖がらせるつもりはなかったの…』

自分の懸念が確信へとなりつつあった

子どもは大人と違って上手く話せないことがある、だからこそ別の方法でアプローチが必要になってくる

いくつかの心理検査を行い、私の思った通りの結果が出てきた

"身体的、心理的虐待あり"

調査書の事項に書き加えておく、これで調査書は完成した

今日はちょっと負担の多い仕事ばかりだった、ご飯少し贅沢しようかな…

『あれ、イトノコさん』

「あ！Aさんお疲れッス！」

帰ろうと外に出ると見覚えのあるコートが目に入った

『な、なんか凄くやり切った感じ醸し出してますね…』

疲れ切っている自分には、なんで彼がここにいるのか疑問にさえ思わなかった