勤務27日目 ページ29
証言台に立つ少年
いつも証言を聞く大人とは違い、一筋縄ではいかない
自分が下手な発言をすれば鋭い言葉が飛んでくる
「…最近の小学生はこうなのか…?」
『…まぁ、個人差はありますよ』
慣れているのかは知らないが、隣の彼女は平然としている
多くの人の心と向き合ってきただけはあるか、…
"待った!" "異議あり!"
尋問、そして証言に対する異議、その異議に対する異議が飛び交う
少しずつ、それでも着実に解決へと進んでいるはずだ
尋問と証言を繰り返していくうちに、証人のウソが剥がれ落ちていった
『…いつも勝った写真を撮るぐらいトノサマンが好きな少年、でもあの日は撮ったけれど消去した、なるほど…』
記録を取る度に小声でつぶやく宮
「……まさか、」
そして、おそらく真相にたどり着いた成歩堂
証人の自白に時間はかからなかった
「…、だから写真のデータを消した…そうなんだろ?九太くん」
「……そうなんだよ、!」
年相応に泣きじゃくる証人に宮は複雑な表情をしていた
しかし、この事実のおかげで新しい証拠も出てきた
我々にとっては不利かもしれない、それでも真実にたどり着くことが出来る
今日の法廷はここまでとなった
「Aくん、証人のケアをお願いします…少年にとってショックなものが多かったでしょうから」
『…もちろんです、任せてください』
彼女の暗い表情はずっとそのままだった
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作者名:紅 | 作成日時:2022年1月4日 1時