勤務26日目 ページ28
法廷は昨日と比べてすんなりと進んでいった
いかにオバチャンが法廷をかき乱していたかを痛感する
弁護人も検事も引けを取らない
裁判してるって実感する
このまま九太くんが出廷しないで終わればいいって思ってたのに
「…検察側は決定的な証人を用意している」
そんな簡単に現実は進んでくれない
休憩をはさんで九太くんが証言台へ立った
大丈夫かな…とか心配していると
「大人だからって威張るなよな!」
通常運転の九太くんである意味安心した
しかし、話を聞きだすのには少し時間がかかりそうだ
『御剣検事、まだ小学生なんです…大目に見てあげてください』
「うむ…」
どことなく悔しそうな表情で私を見てくる
「…撮影所で見たことを我々に聞かせてほしいなあ」
「おじさんと、…偉そうなヒゲのおじいさんに?」
少年の無垢な発言は心に突き刺さるものがある
「お兄さんだ」 「ヒゲのおじさんです」
ムキになって訂正する二人、相当気にしているようだ
『御剣くんがおじさんなら、私はおばさんかな…』
「いや!お姉ちゃんはお姉ちゃんだよ!」
『そう?ありがとう…九太くん、あの時見たことを教えてもらえない?』
「うん!わかった」
どうにか証言をしてもらえそうだった
「……」
『ちゃんと証人の話聞いてください』
お願いだからこちらを睨みつけないでほしい
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作者名:紅 | 作成日時:2022年1月4日 1時