勤務25日目 ページ27
翌日、トノサマンの事件二回目の法廷が幕を開けようとしていた
今回の証人は監督の宇在さん、そして必要があればあの小学生…
検事側から特に小学生の子のメンタルケアをするように言われている
「……」
『九太くん、緊張してる?』
「ううん!お姉ちゃんがいるなら怖くない!」
出来ることなら証言台に立ってほしくない
でも、タイミング悪く目撃してしまった
この子の心の傷になってないといいけれど…
「今日はお姉ちゃんもあの部屋いるの?」
『そうだよ、あそこでお仕事するの』
「へぇ…すごいなぁ」
「御心さん、そろそろ準備お願いします」
係官に呼ばれ、そろそろ開廷することを知らされた
『九太くん、私そろそろ行かないといけないから…』
「わかった!頑張ってね!」
まぶしい笑顔に見送られながら控室を後にする
どうか、私が彼を呼びに行くことになりませんように
法廷では、私以外の人が準備を整えていた
『資料よし…記録用紙よし…』
「あの少年は大丈夫なのか」
急いで準備をしているところに、隣から声をかけられた
『はい、今のところ落ち着いています…、ただ問題なのは、証言台に立ってからですね』
大人が立っても怖い所なのに、それを少年が…
考えたくないけれど、…それでは事件の解決はしない
「人の心を支えるのは得意だろう、」
『…はい、それが私の本職ですから』
良く分かっていらっしゃる、ここで私が挫けてはいけない
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作者名:紅 | 作成日時:2022年1月4日 1時