司法の傷心心理士【逆転裁判】 (ページ17)

今日:5 hit、昨日:24 hit、合計:31,512 hit

勤務15日目ページ17

『やっと終わった…』

人でいっぱいだった傍聴席も、さっきまで論争が繰り広げられていた二つの台も

勿論裁判長もいない

静まり返った法廷を、私が一番最後に出ていった

今頃、刑事たちと成歩堂くんたちが証拠集めに没頭しているはずだ

『私には私の仕事があるからね』

書記官としての仕事はここまで、ここからは調査官として仕事をしなくては

「御心さん！遅いです」

『ご、ごめんなさい…』

一緒に調査を行う人と合流し、面談室へ

『この前軽くまとめた人か…』

確か、御剣くんが私の自室にやってきたときにまとめていた人

「詳しい話を聞かないと裁判官も困りますからね」

『…私の本領発揮ってところかな』

私の本職は心理だ、

人の心を癒せるのも、聞き出せるのも人だと思ってる

今回の調査対象の方はひどく心に傷を負っていた

離婚調停のために私たち調査官に話をしてくれる

身体と心に大きなトラウマを植え付けられ、蘇るフラッシュバックに耐えながら

「ごめんなさ…い、…うまくお話できな…、くて」

どの人も私に対してそう言ってくる、謝る必要なんてないのに

『…大丈夫です、ゆっくりでいいんですよ』

正直、辛い

でも、やめるわけにはいかない