幻想郷【sn】 (ページ7)

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幻想郷　7 ページ7

ab「いきなり呼び出してごめん。康二のことで聞きたいことがあって」
sk「康二元気ー？」
ab「元気だよ。今はちょっと元気ないけど…」
sk「聞きたいことって、そのこと？」
ab「うん。康二が江戸屋敷に来る前のことなんだけど…」
sk「あぁ…村人の」
ab「えっ！何か知ってる！？」

これは良い報告ができるかもしれない。

まさか江戸屋敷側から情報を得られるなんて思ってもみなかったけど。

sk「他の妖についても知ってる訳じゃないよ？ほら康二って特別じゃん」
ab「まぁ…」
sk「もう江戸屋敷も大盛り上がりだったなぁ」

康二は人間に化けられるようになってからは、ほとんど人間の姿でいる。

それは人間の姿が良いというより、妖の姿を隠したいという理由。

康二は世にも珍しい妖“白狐”だ。

太陽の光に当たると純白の毛がキラキラと輝き神々しく、瞳は目を見張るほど美しい琥珀色。

暫くその姿は見ていないけれど、誰もが魅入られる存在だった。

sk「役人はさ白狐って知らなかったんだよ。白狐が希少価値が高いことも」
ab「だから正規ルートで」
sk「そう。知ってる役人だったら、確実に闇取引されてたね」
ab「…もしかして謝礼？」
sk「さすが阿部ちゃん！鋭いねー！康二は状態も凄く良くて、きっとお世話をしていた人が良かったんだろってさ、当主が役人に頼んで釈放したの」

罪も冤罪だったしね、と付け足した佐久間の言葉に今までの考えが繋がっていく。

sk「俺が頼まれたからよく覚えてるよ」
ab「もしかして顔も見てる？」
sk「当たり前じゃん！背も高くて羨ましかったなぁ」