Honey.01---プロローグ ページ1
「Aさん…!!」
名前を呼ばれ、抱きしめられる。
和室に寝転がる形でずっと居た少年は、自分の着物のすそを強く握り、肩で息をしている。
「大丈夫ですか!?」
かつての友にそう聞かれても、少年はうんともすんとも言わなかった。
いや、言えなかったのだ。
呼吸困難となり、自ら乱した着物は、少年の微かに息に連れ、上下に揺れている。
だらしなく露出された白い肌には、無数のキスマークや歯型、そして切り傷もあった。
そんな少年の姿を見て、少年を抱き抱えていた男、影山飛雄は思わず歯ぎしりをした。
すると、何度呼びかけても、上の空の少年の胸元が微かに膨らんだ。
どんどん大きくなってゆく“それ”。
そして、“それ”はついに少年の着物を突き破った。
怪しげに赤く染まる満月の日。
影山飛雄は堺Aに逢いに来ていた。
初めて出会ったあの場所に足を運びに来ていた。
前の満月の日、Aが言っていたことを思い出す。
「僕はいつかの満月の日に消えてしまいます」
いつもの優しい笑顔でとんでもないことを告白するAに、
思わず絶句した。
「だから…それまでに僕のことは諦めて下さいね」
いくら明日消えると分かっていても、
最後の最後まで、一緒に生きてほしい。
その気持ちを込めて、影山飛雄と堺Aは、
最後のキスをした
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雷雅 - 更新頑張ってください! (2019年8月22日 15時) (レス) id: e8ca574508 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 評価が低い…だとぉ!? (2019年8月21日 23時) (レス) id: 95e7610c17 (このIDを非表示/違反報告)
maro【残量18%】(プロフ) - 木世さん» 同じく、こちらのアカウントの方へ移行しました。ご迷惑をお掛けしてしまいすみませんでした。 (2019年8月21日 22時) (レス) id: 723f961fa0 (このIDを非表示/違反報告)
木世(プロフ) - こちらのアカウントの方へ移行しました。ご迷惑をお掛けしてしまいすみませんでした。 (2019年8月21日 22時) (レス) id: b40be3a18e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:maro【残量18%】 | 作成日時:2019年8月21日 22時