【とある魔術の禁書目録】 ＿＿＿お願いだから。(男主)

No.002 ページ5

薄暗い灰色の廊下に滴る大量の血だまり
その赤は壁や扉にも飛び散って、直視できるものじゃない
こんな中途半端な壁より
扉の奥にある地獄の方がもっと赤を帯びている
いや、寧ろ赤というより黒に近い
そンな薄気味悪い廊下を裸足でひたひたと歩く
血だまりの上を歩くと、水とは違った感触で
なンだか生暖かくて、それに寒気がする

「あああああああああああ」

耳を澄ませば、悲鳴も聞こえてくる
...いや、澄まさずとも聞こえる
しかも、この悲鳴1つじゃない
長い廊下、壁に貼られた数枚の扉
その扉から漏れる掠れた悲鳴と無数の機械が擦れる嫌な音
何れも全て、それぞれの人間が地獄を見ているのだろう

...そういえば、そのニンゲン達に、名前はあったのだろうか
俺は思い出せない
形上、名字は2文字で名前は3文字ということだけは覚えている
今は番号か、能力名が名前として使用されている

＿＿＿＿確か俺の能力名は...
＿＿＿＿＿＿一方通行(アクセラレータ)だったな

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