世界に見捨てられた人間2 (ページ6)

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虎杖、死亡ページ6

不平等な現実のみが平等に与えられている

「誰かを呪う暇があったら大切な人のことを考えていたいの」

疑う余地のない善人だった

誰よりも幸せになるべき人だった

それでも津美紀は呪われた

俺の性別も知らず”恵”なんて名前をつけた父親は今もどこかでのうのうと生きている

因果応報は全自動ではない悪人は法の下で初めて裁かれる

呪術師は、そんな”報い”の歯車の一つだ

少しでも多くの善人が平等を享受できるように

俺は不平等に人を助ける

「いい…いいぞ！！命を燃やすのはこれからだったわけだ！！魅せてみろ！！伏黒恵！！」

「布留部由良由良(ふるべゆらゆら)…八握__v_待て、奴が…」

宿儺の紋様は消えて、伏黒の前には虎杖が。

「…俺は、オマエを助けた理由に、論理的な思考を持ち合わせていない。

危険だとしてもオマエのような善人が死ぬのを見たくなかった｡

それなりに迷いはしたが、結局は我儘な感情論、でもそれで良いんだ。」

「俺は正義のヒーローじゃない、呪術師なんだ。」

いつも笑わない伏黒が、微笑を浮かべた

「だからオマエを助けたことを一度だって後悔したことはない。」

「…そっか。」

虎杖は笑う。

「伏黒は頭がいいからな、俺より色々考えてんだろ。オマエの真実は正しいと思う

でも俺が間違ってるとも思わん。あー…悪い、そろそろだわ。伏黒も釘崎も…

五条先生は、心配いらねぇか。長生き、しろよ…」

虎杖はゆっくりと倒れ、パタンと音がその場に響く

伏黒は強く拳を握る

自身の目に浮かぶ何かを引っ込めようとするように

その激闘を終えた少年院の空は、呪術師の運命を示すかのように

先程よりも強く、豪雨が降り注いでいた。