怒り ※ストーリー少し変更 ページ36
A『…学長は、何故私を今更2級術師に昇格させたんですか?
更に、1年切り上げで卒業させて貰えるとは聞きました。でも…そんな素直に認めて貰えるとは思えません。…何か企んでいるのではないんですか?』
「御上家は五条家の分家じゃ。
基本技は両家で技術を高め合っている。術式の修得は1年掛けずとも才能は開花する。
…それ故に1級術師への昇格を認めたのだ。」
A『…そうやって安易に認めて…私を地獄の穴に陥れようとしてませんか?
私の過去が関わっているのだとしたら、それはもう過ぎだ話。あの子に終止符を打ち
責任を取ったのは私です。謝罪もしました。…その事を、まだ根に持っているんですか?』
「…我々にとって、あの出来事は忘れてはいけないのだ。この呪術界の為にも…
今でも覚えているぞ。貴様が全力を尽くして己と…奴と戦い、殺した事。
あれは実に痛ましい事故じゃった、怖くなかったと言えば嘘になるが…」
「…どういう事だい、A?」
A『先生は心配無用です。…あれは事故?…
あれは立派な事件だ!!何を根拠に持てば、あれを事故だと、偶然に起きた事だと
なすべくして起こったと…そう言うことが出来る?!
根拠も理由も何も無い、でも私は知っている!この目で見たんだ!!』
Aはいきなり机をバンと叩いて立ち上がり、怒りをあらわにする。
「ちょっと待ってください!御上さん!!」
「A?!どうしたんだい、急に…」
「…むしろ、根に持っているのは貴様の方では無いのか?我々に怨みを持ち
果てまでは自己嫌悪に陥った。…這い上がるのには相当な時間を要しただろう。」
A『____っ!!!!!!』
私は思いっきり机を叩いた。駄目だ、此処で怒っては。全てが無駄になる
ここまで来たのに…無駄にするわけにはいかないのに…!!
天を仰ぐ。上には茶色い天井、少し古びた雰囲気を醸し出している。
A『全て私の思い違いだった様ですね、申し訳ございませんでした。』
怒りを含む声でいい、私はドアを開け、部屋を出る。
「…何があったかよく分かんないけど…、僕の教え子に何かしたら…その時は
…あ、夜娥学長はあと2時間くらいで来るよ、じゃあーね!!」
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作者名:神樂颯稀(Macoron) | 作成日時:2021年10月1日 21時