ブ ﾗ ッ ク 本 丸 担 当 審 神 者 ．【改】

11話 嫉妬 〈加州清光〉 ページ30

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俺には悩みが有る。





それは、主と三日月の距離が近い事。





刀剣との距離が縮めば縮む程 、離れる時苦しむのは分かっている筈だ。






俺は、この本丸に来て 安定と仲良くなった。



それは、恋仲とかいうのでは無く 友情。




友情と恋仲との区別が付かなくなってしまえば、主が苦しむ。






俺は、それが 怖い。





この本丸に残る




そう言いそうで、怖い。






｢ あ…安定に呼ばれてるんだっけ… ｣





ふと、安定との約束を思い出して 安定の部屋へと向かう。





その道中に有るのが 三日月の部屋。




主は最近、三日月の部屋に行く回数が増えた。




主に下心が有るとは思えない。




｢ この本丸を出る時は、この三日月宗近(俺)を連れて行ってくれんか ｣




なんて、聞きたくなくても 聞こえてくる会話。



襖なんて、薄いから 全部聞こえてきちゃうんだよね。




｢ 考えときます ｣




｢ あーあ、俺だけだと思ったんだけどな ｣





絶対に誰にも聞こえない声で そう呟いた。







あの時、主の事信じたのは俺だけなのに。






俺だけじゃ満足できないわけ？






憎しみに近い 嫉妬 。





そんな、今まで抱いた事無い感情が俺の胸の辺りで渦巻く。









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