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私は今、埋もれている。埋もれている、埋もれている。
「 信濃ばっかずるいよー!!! 」
「 おいおい、大将困ってるだろ! 」
「 主君、よければ僕も…! 」
見ての通り、粟田口の短刀達に引っ張られている。
そのうち、私は はち切れてまいそうだ。
「 こら!皆! 主殿が困っているでしょう! 」
痺れを切らした一期一振が、皆を叱責する。
すると、騒がしかった部屋は一気に静かになる。
「 主殿……申し訳ありません 」
と、深々と頭を下げる一期一振。
私は彼の頭を撫で、大丈夫ですよ、と声を掛ける。
中々顔を上げないのだが、その顔は真っ赤なんだと思う。
「 そろそろ、夕餉にしましょう? 」
私がそう言えば、皆が元気よく返事をする。
ズラズラと、大広間へ向かう一行。
よし、そろそろ出ようか、 と思い 立ち上がると、
袴の袖を掴まれる。
「 あの…… 、大将 … 」
そう、態とらしく目を逸らしながら私を引き止めるのは、薬研。
「 その…… ありがとう 」
それでも尚、目は合わせてくれない。
そんな彼の手を取る。
「 感謝なんてしなくていいです。あなた達を助けるのが私のお仕事ですから 」
私がそう言えば、彼は私に微笑みかける。
夕餉に行くように諭し、この部屋には私一人。
大勢がいた部屋。
皆が出れば、この部屋はとても広く感じ、それにとても静かだ。
「 さて 」
皆が居ないうちに、少し片付けよう。
負の憶が積み上がり、この部屋は どんよりとした雰囲気が漂っている。
私は、畳に正座をして 畳に手を添える。
この部屋に霊力を流す。
また、この部屋で
彼らが幸せになれる様に。
また、この部屋で
笑い合える日々が訪れる様に____
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鶴(プロフ) - 椿さん» ご意見、ありがとうございます(´;ω;`) (2019年5月8日 22時) (レス) id: f7d2eb1740 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - 今まで通りがいいです! (2019年5月8日 22時) (レス) id: e36d1c7298 (このIDを非表示/違反報告)
くれは卍(プロフ) - 【改】が更新されるのを待ってます!頑張ってください! (2019年4月5日 22時) (レス) id: 325596c204 (このIDを非表示/違反報告)
キリンロング - 【改】が更新されるのが楽しみ過ぎて夜しか眠れません(真顔)。 (2019年3月30日 22時) (レス) id: 390c1ef0c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆらん | 作成日時:2019年3月26日 10時