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門を潜れば、そこには かつては庭だっただろうものが広がっていた。
雑草は好き勝手に伸び、
鯉が自由に泳ぎ回っていたであろう、池は酷く濁り、
かつては、本丸を見守っていたであろう巨木は、葉が枯れ落ち、どこか申し訳なさそうに立っていた。
「 う、」
そこに追い打ちをかけるように、馬小屋から臭ってくる異臭。
「 清光、大丈夫? 」
「 大丈夫 」
苦しそうに鼻を抑えながら 彼は進み続ける。
雑草を抜ければ、そこには案の定 ボロボロの建物が立っていた。
「 見慣れん顔だな 」
「 また、物騒な 」
やっとの思いで玄関へ到着すれば 審神者にとってはあまり嬉しくないお出迎えがあった。
「 おさめろ 」
加州清光が静かにそう言う。
だが、その男_____三日月宗近はその言葉を無視する。
両者の間に酷く冷たい風が吹く。
沈黙を破ったのは審神者だった。
「 私は審神者ですが、次の審神者が来る迄の暇潰しと思ってもらって 構わないですよ 」
どこか、少し寂しそうな顔で審神者は言い放つ。
それでも三日月宗近は自身を収めることは無い。
そんな三日月宗近に審神者は近付く。
それはまるで、斬ってみろ とでも言っているようだ。
「 ある、____ 」
清光が 主 と呼び終わる前に 三日月宗近は少し笑って、
「 お前のような者は初めてだな 」
と呟いた。
審神者に聞こえているか定かではないが清光には確かに聞こえていた。
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鶴(プロフ) - 椿さん» ご意見、ありがとうございます(´;ω;`) (2019年5月8日 22時) (レス) id: f7d2eb1740 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - 今まで通りがいいです! (2019年5月8日 22時) (レス) id: e36d1c7298 (このIDを非表示/違反報告)
くれは卍(プロフ) - 【改】が更新されるのを待ってます!頑張ってください! (2019年4月5日 22時) (レス) id: 325596c204 (このIDを非表示/違反報告)
キリンロング - 【改】が更新されるのが楽しみ過ぎて夜しか眠れません(真顔)。 (2019年3月30日 22時) (レス) id: 390c1ef0c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆらん | 作成日時:2019年3月26日 10時